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「…っ」

「…?」


最近の良は、どうも様子がおかしい。
付き合った当初はとても幸せそうに毎日が楽しそうに笑っていたのに。
付き合って三ヶ月が過ぎた今では、毎日俺の顔を少し悲しげに見る。
何かあったのか、そう声をかけたことも何度かあったがその度になんでもないです。って俺を突き放してた。
今だって二人で日課になっている良の作った弁当を昼に食う、っていう幸せな時間なはずなのに。
隣にいる良はどうも幸せそうでも、楽しそうでもない。
…なんだ。俺が悪いのか?


「なあ、良」

「…ハイ」

「飯、不味いのか」

「あ、イエ。そう言うわけじゃないです。あ、もしかして今日の美味しくなかったですか!?スミマセンッ!」

「別にそーいうワケじゃねーよ」


たったこれだけの会話を交わしてまた俺たちの間には沈黙と時間だけが流れる。
だけど、今日の弁当はあり得ないミスをおかされていた。
ベタだとは思うが、卵焼きの味付けがすっげー塩っぱかった。
俺は砂糖の方が好きだと伝えたあの日から、良はちょうどいい味付けにいつもしてくれて失敗なんてしたことなかったのに。
…しかもそれに気が付いてないってことは結構重症だな、オイ。


「あ、今日も綺麗に食べてくれてありがとうございます。」

「あ"?ったりめーだろ。作ってくれたんだから。つーかこんな上手いもん残すわけねーだろ、バカ」

「ス…スミマセンッ!そんな美味しいなんて毎日言ってもらえて嬉しいです」


この時だけ、良はいつもとても嬉しそうに笑う。
俺は、良のこの笑顔が大好きで付き合いはじめた。
ずっと側で近くで独り占めしていたいと思ったから。
…けど、最近その笑顔を俺に見せてくれることも数えるほどになった。
どうしてだろうか。
勉強が何よりも不得意な俺は考えて答えに辿り着くことは不可能に近い。
でもこうして良の笑顔を奪ってしまったのが俺だとしたら、何としてでも答えを見つけなければならない。

良、どうして笑わないー?


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