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    ハンター試験の最中、何度か眠れない夜があった。そんなときも声をかけてくれたのは彼だった。

    試験の最中であるからして皆夜でも爆睡はしていなかったような気がするけれど、その夜の私は眠ることすらできずに、目は冴えてしまっていて飛行船のなかで割り当てられた自分の部屋ではなく、カフェラウンジまできてなにをするまでもなくただ、ソファーに座って今までの事とこれからの事を考えていた。そこにやってきたのは今までずっと一緒に試験を受けてきた仲間のレオリオだった。


    「お、わ……びっくりしたぜ。ナマエなにやってんだ?こんな時間に」
    「……レオリオこそ」


    聞かなくても彼がおそらくトイレかなにかに起きてきたことはその寝巻き姿で把握できた。


    「俺は便所……ってそれよりおまえだよ。眠れないのか?」
    「なんかね」


    そのままわたしの前のソファーにどっかり座って大きなあくびをする彼はまだ眠そうだ。けれど、どうやら話を聞いてくれるらしい。


    「ここまでこれると思ってなかったし、トントン話が進んできちゃったから実感ないっていうか」
    「そんなん、みんなそうだろ。俺だってそうだぞ?……コーヒーのむか?」
    「そんなもんかな……ありがとう、もらおうかな……」


    そう言って立ち上がったレオリオは人のいないこんな時間でもそういったものが飲めるように置いてあるインスタントコーヒーで私と彼のふたりぶん、コーヒーをいれてくれた。





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