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そこは、ただただ真っ白な世界だった。
床も、天井も、空気さえも白い気さえしてくる。まっしろなせかい。そのまっしろな空間で今ここにいるのは私だけ。
ひとりぼっちだ。
ぽつん、とそこに存在しているのは私だけかのような世界。
……ここはどこだろう。
「ナマエ」
どこからか声がしてどこからか現れたのは私のよく知った男……レオリオだった。
しかし、なにか雰囲気がいつもと違う。
「レオリオ!ねぇ、ここどこなの?私、ちょっとこわいよ」
見知った人物に安心して声をかけるけれど、やはり様子が変だ。その瞳にはまるでなにも映していない。目の前にいるのに、私を見ていないような。
「……」
「レオリオ?」
「別れよう」
「えっ……?今、なんて……、」
「もう、嫌なんだよ。……じゃあな」
突然のことに、頭が追いつかない。やだ、やだやだやだ、行かないで。彼の表情が見えないまま彼はそのまま私に背を向けて私から遠ざかっていく。手を伸ばしてみるけど、届かない。走って追いかけてみるけど……
届かない。
やだ、行っちゃやだ。
置いて行かないで。
目頭が熱くなって視界が滲む。追いかけて走って頬を熱いものが伝う。
「ま、まって……!」
足がもつれそうになって姿が見えなくなりそうな彼に手を伸ばす。けれど……
届かない。
伸ばした手は空気だけをつかんだ。
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