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    「……い、……おいっナマエ起きろ!……大丈夫か!?」
    「……レオ、リオ……?」


    誰かに呼ばれる声で目が覚めた。レオリオだ。ここは、自分の部屋か。見慣れた天井が目に入り自分が今どこにいるのかを理解する。
    ……あれは、夢だったのか。夢だと理解しても思考が追いつかない。
    なんて、悪夢。
    背中には嫌な汗をじっとりかいているし、かたかたと小さな震えが止まらない。


    「魘されてたぞ、大丈夫か……?」


    私のことを心配するようにそっと優しい顔でこちらの様子を伺う。夢の中の彼とは違う。
    私の知っている大好きな彼。


    「まだ息荒いな、水でも飲むか?待ってろ、今もってきて……」
    「……いっちゃやだっ」
    「ナマエ?」
    「……」


    ゆめのなかの、私に別れを告げて私のもとを去る彼と部屋を出ようとする彼が重なって見えて思わず引き止める。


    「……夢、どんなゆめのだったんだ?」
    「それ、は」
    「ん?」


    まっしろな世界に自分1人だけいたこと、現れたレオリオは無表情で私に別れを告げてそのまま私から離れていってしまったこと。私の声をきいても振り返りもせず追いつけなくて、怖かったこと。

    少しずつ、ゆっくりゆっくり夢のなかの出来事を話していると頬を再び熱いものが伝って。


    「大丈夫、大丈夫だ。俺は消えたりしないし、ここにいる。ここにいるだろ」
    「う、ん……」


    ふわりと優しく抱きしめられる。人の、あたたかな温もりだ。とくんとくんとこころの音が少しずつ穏やかになっていく。震えも、おさまったかわりに、レオリオのシャツが、涙で濡れてしまった。





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