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    「おいナマエ、転ぶなよー」


    そう言われたのに、走って転んで足首を捻り歩けなくなっているのはまぎれもない私である。
    ひさびさにゴンやキルア、クラピカと会える!と浮かれていたのだ。街中で派手にすっ転んでこのザマ。笑ってほしいところだが笑えない。痛い。


    「ったく、だから言ったんだ」
    「ごめんなさい……」
    「見せてみろ?」
    「……結構、痛いんだけど」
    「骨折れちゃいなさそうだな……歩けるか?」


    立ってみせようとして足首に走る痛みに顔を歪ませ「無理」と一言いうとレオリオは私に背中をむけてしゃがみこんだ。


    「え?」
    「え?……じゃねーだろ!歩けないならおぶってやるからほら!」
    「……それってすごく恥ずかしくない?」


    レオリオにおぶってもらえればたしかに移動もはやいし私の足も悪化させないで済むだろう。けど、街中をレオリオにおぶってもらいながら進むのは正直恥ずかしい。いまはもう16歳だぞ私。


    「街中で派手に転んだくせになーに言ってんだ」
    「……それもそうか」
    「だろ?ほら」
    「じゃあで……失礼します。…重いよ?」
    「筋トレだと思うことにするわ」


    お前くらい軽いもんさ、みたいな事を言ってくれるかと思ったけどそんなことなかったのでぺちんっとレオリオの頭を叩いておいた。


    「ばーか、うそうそ。ナマエ1人担ぐくらいできるっつーの。試しの門、弐まで開けたんだぜ?これでも」
    「そーでした!……はい、いいよ」


    声をかけてからレオリオの背中に身をあずける。
    「よっ、と!」その声と共にぐらりと身体がすこし傾いたかと思えば視線の高さがぐんとあがる。高い。自分の普段見ている世界とはまるで別。見える高さが違うだけでこんなにも世界は変わるものなのか。





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