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    「高いね」
    「おまえ、背ひくいもんなぁ」
    「レオリオが高すぎるんだよ」
    「はは、それも言えてる」


    ちょっとだけ、その高さが怖いのでレオリオにしがみつく手に力を入れこめてその背中に寄りかかる。広いなぁ背中。私のとは大違いだ。身長も、この背中の広さも声の低さも、支えてくれる腕の力強さも、ぜんぶぜんぶ……私とは違う。男の人のそれであることを改めて実感する。


    「レオリオの背中、あったかいね」
    「そ、そうか?」
    「広くて、あったかくて、落ち着く」
    「……」
    「迷惑ばっかりかけてごめんね」
    「俺が好きで側にいるんだ、気にすんな」


    その言葉に嬉しくなって、頬が熱くなって、胸の奥がキュンとした。なんでこんな優しいんだろうか。そこに惚れ込んでいるんだけど。


    「えへへ」
    「なんだよ、人の背中で1人で笑うなよ怖いだろ」
    「私、レオリオのこと好きでよかったなーって思っただけ!」
    「ナマエって意外とそう恥ずかしいことサラッと言うよなぁ……」
    「それはレオリオもだよ」


    後ろからだからレオリオの表情は本当は分からないけど赤い耳を見れば、彼がどんな表情しているかなんて簡単に想像がつく。大きな身体で意外と照れ屋で繊細なのだ、彼は。


    「かわいいーね、レオリオ」
    「はぁ?かわいいとか、俺に使う言葉じゃねーだろ」
    「えー?」
    「それに、かわいいのはおまえのほうだっつの。手はまぁ、かかるけど……いって!」
    「一言多いっ!」


    そうして笑いながらヨークシンの街中をレオリオにおんぶされながら歩いた。
    携帯ショップのまえでなやむゴンとキルアを見かけて声をかけるまであと数分。




    (背中 end)




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