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    「へへ、まだ医大生ですらねーけどな」
    「きゃーレオリオ先生!」
    「ばかやろー、からかうんじゃねえ」
    「いいじゃないかレオリオ先生」
    「"先生"ってなんだか格好良いよ。レオリオ先生!」
    「おめーら俺で遊んでんだろ!?」


    みんなで笑いあって、少しずつ気持ち悪くなっていたのも気分が紛れてきた。だんだん薬も効いてきたのか瞼が重たくなってくる。


    「眠くなってきた……」
    「寄りかかるか?」
    「ん、平気……」


    もうそんな迷惑ばかりかけられない、と座ったまま寝てしまおうとすればウトウトする度に首ががくんと揺れてしまう。
    すると、そっと肩に手がまわって隣に座るレオリオの方に身体を傾けられてぽすんと彼の肩に寄りかかる形になる。


    「レオリオ……」
    「いいから、寝ちまえ」
    「到着する少し前に起こそう。それまでそうしているといい」
    「ありがと……」
    「おやすみーナマエ」


    最終的にレオリオの肩を枕にしてしまったわけだけどそれはとても温かくて優しかった。それに、なんだか安心する。薬の効果で下がる瞼に逆らわずにそのまま目を閉じる。先程よりかは気分も悪くない。


    「キルア、いまごろどうしてるかなぁ」
    「ゴン、もうすこし声のボリュームを下げろ。ナマエが起きてしまう」
    「あっごめん……!」


    耳を澄ませば普段にぎやかな3人が少し声のボリュームを落としてくれているのが分かる。その優しさがすごく、嬉しかった。

    揺れる列車はキルアのいるククルーマウンテン方面に向かっている。


    目的地まであとすこし。





    (train end)




    (3/3)


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