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乗り物酔いをしたときは遠くを見ろとか良く言うけれどそんなの気休めにもならない。列車が揺れるたびに乗り物酔い独特の気持ち悪さと戦う。
「なるほど、先程山道に入ったところだ。この後カーブもいくつかあるようだし、薬など飲むなら今のうちではないか?」
「薬草はここにはないし……レオリオ、薬もってないの?」
……情けない。
3人に心配をさせてしまっている。
ハンター試験を合格までしたのにこんな乗り物ひとつの揺れで具合悪くしているようじゃ、この先私は大丈夫なんだろうかと不安になる。
「まて。今探して……あった。お前アレルギーは?」
「ないよ、大丈夫。」
「じゃあこの薬で平気だな」
「ごめんね、ありがとう」
「気にすんな、とりあえずそれ飲んじゃえよ」
「うん」
レオリオが自分のトランクから酔い止めの薬を探してくれて差し出されたそれをうけとる。小さな錠剤をぱきり、とケースから取り出して鞄から水の入ったペットボトルをだして蓋をとる。錠剤と水を口に含んで、飲み込む。それからもう一度ペットボトルの水を身体に流し入れてから蓋をして鞄にもどした。
「30分から1時間くらいで効いてくるだろ。その薬は効くの早いけど眠くなるから、眠たくなったら寝ちまえ。たぶんその方が揺れを気にしなくていいだろ」
「……すごいねレオリオ 」
「なんだよ?」
「お医者さんみたい」
おもわずちょっとした感動すら覚えてしまった。ただ薬を出しただけだけど、テキパキと質問をしてそれにあった薬を用意してくれるあたり本物のお医者さんみたいだ。
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