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「よいしょっ、と」
「……」
ひとつ、レオリオが横にずれて私との間に微妙な隙間がうまれる。レオリオの表情を伺えば、なんだか微妙な顔をしている。
「嫌、だった?」
「ちが、ちげーよ。その、なんだあんまり近くこられると意識しちまう、っていうかなんつーか何言ってんだ俺は……」
そりゃあそうだ。夜中にこんなところで10代の男女ふたり。しかも「人肌恋しいから隣にいってもいい?」だ。意識もしてしまうだろう。けれど
「すればいいよ」
「は、」
「私は……ずっとしてるよ?」
そっとレオリオの手に自分の手を重ねて、レオリオの瞳をみつめる。さきほどまで照れ臭そうだったレオリオの瞳は真面目なものに変わっていた。レオリオの手が返されたかとおもったら今度は私の手があたたかい温もりに包まれるのを感じた。
「……ナマエ」
握られた手に少しだけ力が込められる。私よりずっと大きい手のひらと少し高い体温に胸が高鳴る。いままで聞いたことのないような甘い低い声で名前を呼ばれて身体のおくのほうでゾクリとしたなにかを感じて目を閉じる。
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