※ヤンデレ葉くん独白
葉くんがハオ様を殺した後のつもりのもしも話。凄く短いです。
表現の関係上、句読点や改行が極端に少ないので読みにくいと思います。加えてカニバリズム等のグロテスクな描写が多少入る為、苦手な方はご注意下さい。


ハオが「ひとりはいやだ」「寂しい」って、オイラがそばにいて触って笑って話してそれでもずっと何度も何度も何度も何度も何度も何度もそう言うから、オイラがハオの魂を食ってひとつになったんだ。アイツも今すごく喜んでる。
ハオを切ったあの日の夜、瞼を閉じた暗闇の中にアイツはいたんだいつもみたいに貼付けた様な笑顔で「いたかったよ」っていうからオイラ謝ったんだ「すまん」って言ったら「葉は僕じゃなくアイツらを選ぶんだね」「葉も僕をひとりにするんだ」ってハオがいうから違うって言ったんだ繋がり合った意識の中でアイツの姿そのまんまの魂とオイラの姿そのまんまの魂がそのまんまの形で向き合って話してたでもオイラはやっぱりハオの淋しさを埋めてやることはできなくて結局アイツを真っ二つにして殺すことしか出来なかったでもアイツをひとりにしたかった訳じゃねえんだだからオイラ魂だけになってそれでもオイラのところにきた寂しがり屋のアイツの喉笛にアイツの魂に喰らいついたんだ真っ二つに割れたハオの胸に自分の腕を差し込んで熱い中を掻き分けてどくどく震えてる心臓を赤いハオの胸からえぐりだしたそれでもオイラに喰われながらアイツはずっと「うれしい」「これでもう離れなくていいんだ」って言って笑ってただからなんかオイラもアイツのこと食べながら嬉しくなっちまって真っ赤になった手でハオの手を握ったんだよそうしたらアイツも握り返してきてくれてオイラもっと嬉しくなっていっぱいいっぱい笑いながらアイツの血も骨も皮膚も肉も髪も瞳も全部全部全部かみ砕いて飲み込んでひとつになった頭は最後にしたんだオイラアイツのこと好きだったしでもアンナも好きだった今考えるとアイツにもアンナにもひどいことしたよなひどい弟で旦那だよなアイツが欲しいっていうから身体まで繋げていやちがうんだアイツのせいじゃねえオイラが渡してもいいってオイラがハオと混ざりたいって思ったんだそんなことを考えてたら無性にキスしたくなってアイツの頭を抱き抱えて笑ったままの唇にオイラのそれを重ねたんだよそうしたらハオのなかのなにかがオイラの中に滑り込んでくるのがわかってそれが気持ち良くて何度も何度もキスしてたら「うれしいけど早くたべて」ってハオが急かすから残りも全部たべたんだでもハオの目は最後の最後までとっておいたそのときは本当は食べる気なんかなかっただってオイラの手についた赤よりも赤い紅い朱いあの目ハオのあの目がオイラすごく好きだったから勿体なくて最後の最後まで喰えなくてとっておいたでもこのままじゃオイラまたハオを裏切ってそうしたらハオがまた寂しくてひとりになっちまうと思ったから寂しかったし本当はしたくなかったんだけどゆっくりゆっくり噛んで飲み込んだんだあの目が喉を伝ってオイラの胃の中に滑り墜ちた瞬間

『ああ、ひとつになれたんだ』って思った

だから今オイラはハオでハオはオイラでそうなるとオイラは前のオイラとは違っててだからオイラはオイラじゃなくてそれでもハオとも違うからやっぱりオイラはオイラなんよああでも嬉しいなぁこれでもう倒さなくていい殺さなくていいアイツはオイラが死なない限りずっとずっとずっとオイラの中で生きて呼吸して瞬いてずっとずっとずっとずっとそばにいてオイラと混ざり合ったままずっとずっとずっとオイラと一緒に生きていくんだ誰もアイツがオイラの中にいることを知らない知ってるのはまん太お前だけだまん太になら話してもいいってハオも言ったからなだって他の奴らに話したらきっと皆びっくりしちまうだろでも話したとしてもとうちゃんもかあちゃんもじいちゃんもばあちゃんも蓮もホロホロもリゼルグもチョコラブもアンナだって誰もオイラの魂を消せないだからこれから先誰もハオを殺すことなんてできない皆皆皆皆ハオを殺すことなんてできないんだでも大丈夫だオイラが一緒ならアイツも悪さなんかしねえだってアイツはただ寂しかっただけなんだよ辛くて寂しくてだから殺して奪って殺して怨まれてだからまた殺して殺して殺して殺して殺して殺し続けて誰もそんなアイツを理解してやれなくて辛くてしんどくて苦しくて

こころが、こわれた

かわいそうなんだきっとすげえ辛かったんだでもやっぱりアイツは殺すしかなくてそれしかアイツは方法を知らなくてどんどんどんどん一人になって寂しくてオイラに助けてって縋ってきたんだそんなアイツをオイラは突き放すことなんかできなくてどうしたらいいか精一杯考えたんだどうにかしてやりたくてでもいくら考えてもどうしたらいいかわからんかった一緒にいても笑っても話してそばにいてもアイツが欲しいって言うから身体を繋げてオイラの全部をやってもでもやっぱりアイツの淋しさはうめてやれなくてアイツはずっとさみしいままでどうしようもなくてオイラももうどうしたらいいかなにがよくてなにがわるいのかもわからなくなって

『ああ、喰えばいいんだ』って思ったんだ

だからアイツの魂が会いに来たあの夜にオイラがアイツを殺したあの夜にハオの魂を喰ったんだハオはオイラが消えるのはいやだって言ってたからじゃあハオがオイラにしようとしたみたいにオイラがアイツを喰ってひとつになってずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとそばにいればいいんだって気がついたんだオイラ馬鹿だからこんな簡単なことに気づくのさえあんなに時間がかかっちまったいっぱい待たせちまって本当ハオにはすまんかったと思ってる

「だからいまいっしょにいられてすげえしあわせなんだ」



あの日の夢にがんじがらめ



そういつもの表情で笑う彼は、もう自分の知る彼ではないのだとまん太は思う。
それでも、嗚呼、それでも彼は幸せなのだ。
もう誰の命を奪うこともなく、彼が唯一手に掛けたハオは彼の魂に溶け込んで、ずっとずっと彼と共に生き続けるのだから。

===

ハオ様を殺して、こころがこわれた葉くんの話。
なんていうかすみません…。こういう空気感もきらいではないんです…。

2013.02.14

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