《五万打記念リクエスト@》

※続きです









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「ただいまー」



なんやかんや合って無事帰宅。今日は部活が終わってから即行帰宅しましたよ、ええ。彼はあの白石蔵ノ介なのだから、馬鹿な真似はしないとは思ったけど、念のためね。



しかし、帰ってからすぐ聞こえた足音に私は戦慄した。


「……あれ?クーちゃん?さっき部屋に居らんかったっけ?」



し、しまったあぁぁぁっ!友香里ちゃんの存在を完全に失念してた!
友香里ちゃんはまだ小学生なんだし、そりゃ帰って来るの早いよねー…。



「……おん、ちょっとコンビニ行っとってん」



ここで慌てずに、すぐさま無難な切り返しが出来た私をちょっと誉めて欲しい。

そんな私の言い訳に、友香里ちゃんもあっさり納得したらしく、ふーんと大して興味を抱くことなく部屋に戻って行った。



……もしずっとこんな調子だとして、果たして私の心臓は持つのだろうか。

























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「お、帰って来たな。おかえり」

「……ん、ただいま」



笑顔で出迎えてくれた白石には悪いが、これからのことを考えると、自然と表情が暗くなるのは仕方のないことだろう。白石のお出迎えにとりあえず愛想笑いを返した私は、静かに通学鞄を机の横にかけた。



「……なんかあったんか?」


心配そうにこちらを見る白石に、私はふいと目を反らす。
やはり彼に隠し事は出来ないようだ。



「……下で友香里に捕まった」

「……あぁ」



この一言だけで伝わる私たち。まるで双子みたいだ。



「すまんなぁ。見つからんようにはしとってんけど、いきなり部屋に入られてしもうて。適当にごまかしてはみたんやけど、大丈夫やったか?」

「おん。まぁ友香里も変に詮索したりするやつとちゃうし、多分大丈夫やろ」

「……すまんな、迷惑かけてもうて」

「何言っとるん。今回のは事故、君のせいやないやろ」



そう言って私は白石の頭を撫でた。あぁ、弟がいたらきっとこんな感じなのかなぁ。



「……自分、ほんま大人やな」

「……え、どこが?」

予想外の一言にびっくりする私。まぁ確かに精神年齢は(以下略



「……俺はめっちゃパニックになってるのに、君はめっちゃ落ち着いとるから」

「俺から見たら白石の方が落ち着いとるように見えるけどなぁ」



あ、どさくさに紛れて白石って呼んじゃった。まぁいいよね。



「俺の場合、無理矢理落ち着こうとしとるだけや。でも、君はどこか余裕があるように見えるわ」



……まぁ、私の場合色々と身をもって体験しちゃってるからね。単純に経験の差だと思うよ、そこは。



「……そんなことないけどな。それより、これからどないするかなんやけど」


そう、今の私たちに必要なのは今後の方針を決めることだ。
それは白石の方も分かってたらしく、先ほどとは一転して真面目な顔になる。



「俺としては、いくら事故とはいえ、君に迷惑をかけることだけは避けたいんやけど」


おっ、流石本家白石。そういうことをさらっと言っちゃうとこが、真面目というか優しいというか。そりゃ女の子も簡単に落ちちゃうわ、うん。



「別に俺に気使わんでええて」

「せやけど……」

「ええっちゅうたらええの!それに困った時はお互い様やろ?」

「……ホンマにええんか?」

「当たり前や!」



初めはなかなかこちらの言葉を受け入れてくれなかった白石も、そうして主張していくうちにようやく納得してくれたようだ。で、最終的に白石が帰る方法が見つかるまでは、私と一緒に暮らす方向で落ち着いた。

結局のところ、私たちはお互い同じ白石な訳だし、何かあった場合のことを考えてもうちにいるのが一番だと思うんだよね。



「……ホンマありがとうな。ほな、よろしゅう頼むわ」


そう言ってにこやかに微笑む白石に、私は顔が熱くなるのを感じた。



……今の笑顔は反則だよ。








(共同生活が始まりました)






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