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「で?これから十番隊(ウチ)で世話するのは構わないが、どうするつもりだ?」
四人はソファーに座ると、話しだした。
『…お父さんとお母さんを殺したヤツを探す……』
「……気持ちは分かるが、あれから十年経ってる。無理じゃねぇのか?」
『ううん……
いるのは感じるの………絶対に見付ける…!』
「そうか…
『あ!!!』部屋に凛の声が響く。
【どうした?】
『や……えーと…言っちゃいけないかな…や、言わないと動けな…』
「言え。」
『……もしかしたら、私のお兄ちゃんがココに来るかも……』
「は?兄??人間か?」
『人間…だけど死神…。シロちゃんも知ってるよ?オレンジ頭に身の丈程の斬魄刀……』
「まさか……お前例の死神の妹なのか?」
冬獅郎の頭にはつい最近見た映像が甦る。
大虚をたった一人で追い返した男ーーー
それと共に、同じく一人で大虚を撃退した凛……
「(封じられていた凛の霊力が戻ったのはアイツのせいか…。
折角現世で幸せに暮らせていた凛をこっちに引き込みやがって……。)」
「たーいちょっ、三割増しですよ、シワ。」
ふと前を見れば、自分の眉間を指差す乱菊がいた。
凛もキョトンとしている。
「わり……ところで、その死神は朽木のヤツによって殺されたんじゃねぇのか?」
『一護はあんなことで死なない。』
はっきりと言い切った凛。
先程まで静かに聞いていた雷獣鬼が思わず噴き出した。
【隊長格にやられたんだぜ?あんなこと、じゃねぇだろ。】
『あんなこと、だよ。確かに白夜は強いけど、私は一護を信じてる。』
【そーかよ。妬けるぜ全く。】
凛は軽く微笑む。
その時、突然勢い良く扉が開いた。
「凛!!!」
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