![](//img.mobilerz.net/sozai/106_w.gif)
64
『あ、そうだ。闇滅神、ちょっといい?』
【何だ?】
『…さっき、霊圧も回復したみたいだから今度また練習付き合ってくれる?』
【当然です。】
十番隊隊舎へ向かう廊下、凛は闇滅神に聞いた。
『そういえば、私は以前こっちにいた時から二人に出会ってたんだね。』
凛はさっき思い出した記憶を手繰る。
【俺は前当主の斬魄刀で、凛のおめつけ役でしたから。】
【まぁ俺はあん時は夢の中だけだったけどなー。】
闇滅神は当時、凛の父親の斬魄刀であり、雷獣鬼は、実際に会いはしていないものの、凛の夢で存在を見ていた。
『二人のこと…さっきまで思い出せなくてごめんね…』
シュンとなって俯く凛に思わず顔を見合わす二人の斬魄刀。
【何をおっしゃるのです。仕方ないでは無いですか。】
【そーそー。それに今は思い出してくれたんだしなっ!】
『でも…』
【馬鹿、気にすんじゃねぇよ。】
雷獣鬼は凛の頭をくしゃりと撫でた。
その横では闇滅神も微笑む。
『ありがと…』
【では、霊力の消耗もあるので、俺はこれで。任せたぞ、雷獣鬼。】
そう言うと、闇滅神は鞘へと戻った。
【つうか、何でさっき泣いてたんだ?】
雷獣鬼は手を凛の上に乗せたまま尋ねた。
『…記憶戻って、またシロちゃん達と会えたことが嬉しかったからね♪』
【……嘘つくんじゃねぇよ。隠し事はもうしねぇんだろ?】
『っ……家が…焼かれて……お母さんとお父さんがっ……
あの火事も事故じゃ……なくてっ…』
【…………。】
声を荒げて俯く凛の肩を優しく包み込む。
「おい、てめぇ。誰の許可得てソイツに手ぇだしてんだよ。」
.
[ 65/90 ][*prev] [next#]
戻る