06
『…………。』
絶句。
なんか………
言葉にできないってこーゆーのを言うんだね……
現在宴の真っ最中。
自分のために?開いてくれたっていうんだから、ちゃんと顔を出そうと思ってやってきた。
うん、そこまでは良かったの。
でも、入ろうと入り口に立ってびっくり。
ぶっちゃけムサい。以前乗っていた海賊船では、基本檻に入れられて、雑用とかの仕事の時だけ外に出る、みたいな感じだったから……
知らなかった……
酒の臭いが充満した広い部屋
行き交う男共の太い声
『(っ……駄目だ、耐えられない!!!)』基本的に、酷い扱いや仕打ちには過去の経験から慣れっこなレンだったが、
"男"を知らなかった。
『(やって行けるのかなぁーー…)』
ルールルーと涙を流しながら、入口にもたれているレン。
ぶっちゃけ入口を塞いでいる訳で。
ドンッ!!
『あっ、ごめんなさいっっ!!』
「邪魔だ!!てめぇ入口塞いでんじゃ…………!!!!」
ぶつかったクルー、硬直。
真っ赤な顔で。
だって、すごい小動物みたいに目をぎゅって閉じて震えるから……かわいくて。 by.ぶつかったクルー後日談
『(あ……あれ??殴られない…何で???)』
レン、大分苦しい生活を送っていました。そんなこんなで入口で硬直する二人。
若干戸惑っているレンに救いの声が。
「レン!!!!」
『!!エースさんっ!』
バッと振り返ると、むさ苦しいクルー達の中に唯一安心できる人物が。
手招きをし、自分の横の席を開けているエースに心底感謝。
『!……では、先程は失礼しました!!』
「「「!!!////」」」
がばっと頭を下げ、顔を上げるとニパッと笑い、エースのもとへと走るレン。
一部始終を見ていた他の数名のともども赤面。
はい。クルー数人悩殺完了。そして鼻の下がのびきっているクルーが我に帰るのは次の瞬間。
「「「うわぁああ!!!!」」」
自分達の手足が焼ける。
そう、
焼ける。エースはレンを隣の席に座らせると、物凄い形相で入口付近の数人を睨んだ。
「(レンの笑顔…至近距離で見やがって……!!!)」
クルー、哀れ。
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