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『なに、この感じ・・・』






体中を走る寒気。

私の全神経が拒絶反応を起こすかのようなざわめき。





「ん?どうした?」



コックが不思議そうに聞いてくる。






・・・私だけ?

コックにはなんともないの・・?








違う、気づいてないんだ












着々とソレは、モビー・ディック号に近づいてくる。








『(やばい!!!!!)』










扉を勢い良く開けると、レンは甲板に向かって走り出した。




















ーーーーーーーーーーーーー





「船長!!赤髪を迎えます!!!」







「来るぞ、赤髪が・・・」


「若ぇ衆は下がってろよぃ。身がもたねぇぞい!」






コツン  コツン








「身がもたねぇってのは一体・・・?」


「良いから奥へ行ってろって・・・」






バタンッ




コツン コツン コツン







バタンッ  ばさっ  どさっ







「うぉ、おい!どうした!!??何がおきてるんだ??!!」





次々と倒れていくクルー。


足音は止まらず近づいてくる。






「・・・はあ。もう手遅れかよぃ。」







ドンッ!!!!





「騒ぐな!!!気ぃ失ってるだけだぃ!!!」









ざわめき出すクルー達に、マルコが呆れたように言い放つ。





「半端な覚悟じゃあ、あの男の前で意識を保つことさえ出来ねぇ。」









大きな酒瓶を担いだ一人の男。

赤髪のシャンクス。




通る道には後にも先にも立つ者はいない。





一歩、一歩とシャンクスは白ひげに近づく。











バンッッ!!!!!





途端に、大きな音をたてて甲板の扉が開く。





「「「「??!!」」」」




今意識を保っているクルー全員が、開けられた扉に目を向ける。











『何、これ・・・どうなってんの?』









2010.05.31


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