(*わんにゃんランドでデェト中のバカップルさん) 「またここかよ」 「だってかわいいんだもん、わんにゃん!」 「わんにゃんって、おまえ……いや、そういう名前の施設なのは分かるけど……」 「さ、佐伯くん、ほらあの子すっごい眠そう……! あっ、今あくびした!」 「メロメロだな?」 「うん! ほら、この子、ふっわふわだよ!」 「ホントだ。すごいな遠目から見たら毛玉みたいだぞ、こいつ」 「毛玉じゃないよ、れっきとしたワンちゃんだよ! 失礼しちゃう。ねー、ワンちゃん?」 「わん!」 「意思疎通してる……さすが小動物同士……」 「えっ? 佐伯くん、何か言った?」 「いや、何でも」 ・ ・ ・ 「そういえば佐伯くんは犬派なんだっけ。どちらかというと」 「まあな。なんか、間抜けっぽいとこが良い」 「それって褒めてるの?」 「さあな」 「猫も可愛いのにねー? ねー、猫ちゃん?」 「にゃー」 「また意思疎通してる……ま、どっちも可愛いってのは分かるけどさ」 「わたしは?」 「……は?」 「犬と猫も可愛いけど、わたしは?」 「なんだよ、急に」 「佐伯くんのマネして妙な意地をはってみることにしました」 「何だよそれ。つーか、この間はよくも嵌めてくれたな。おまえのせいでかかなくていい恥をかいた」 「自分から言い出したくせに。ね、どう?」 「いや、どうって……」 「気になるなあ……」 「……じゃあ、猫」 「にゃあ」 「…………」 「にゃーん」 「…………じゃあ、犬」 「わん」 「……お手」 「わん!」 「………………」 「…………わん」 「………………い、色仕掛けしたって、無駄だからな! 言わないからな!」 「(佐伯くん…………)」 2011.04.08 (*この後「あ〜〜〜、もういいや、バカップルで……」と佐伯くんが折れてくれるんだと思います。最終的に。) (おしまい!) (30題、お付き合いありがとうございました!) <-- |