One second of eternity. | ナノ

Prologue―Gynoid―
情報技術はこの約十年でめくるめく発展を遂げた。光を放出して表示するスクリーンやキーボードが当然とされたのはつい数年前からで、学生であった頃に開発されたタッチで操作するスマートフォンなんかは古さのあまりに今ではとうの昔話として話題が出されるほどである。
そんな世の中になった今、人々が持ち歩く携帯電話・PHSは超小型化されたもので、デザインと形は様々だが一般的なサイズは直径2〜3cmだ。大きいものでも10cmもないだろう。しかし、最近では新たな携帯電話・PHSが開発され、一人暮らしの若者の間で流行している。それはアンドロイド(ガイノイド)だ。かの有名な企業が開発した基本ソフトウェアではなく、本当のアンドロイド、所謂、人造人間である。技術が発達したためか一見、人間と区別がつかないほどで、動きも人並みには歩いたり走ったり出来る。そして重要な性能だが、かなりのものだ。それも当然、超小型の物(勿論、これも昔と比べると性能はとても良い)と大きさを比較すれば莫大な量のシステムを組み込めるからである。とりあえず、一言でこのものを説明するとすれば、人の形をした携帯電話・PHSだ。通話やメール、インターネットにアプリケーションは言うまでもなく、パーソナルコンピューター的な利用もできる。そして人造人間として勿論のこと話せるし、飲食も可能だ。しかも、数十年前では不可能とされてきたロボットが自ら考える―思想を持つ―ことができる。無理なこともいくつか存在するが、人間はアンドロイド(ガイノイド)に対してそれは必要としないのでここでは述べない。例外があるとしても一般的には、されては困ることなのだ。
長々と説明したが、この話はある男とガイノイドの物語である。

Prologue―Gynoid―87600:00:00

(時代は目まぐるしい変化を遂げた。)

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