▽ どうしようもない(桜智×帯刀)
「っ、……!」
快楽の中を漂っている最中、ズキ、と痛みが走った。
鎖骨の辺り、柔らかい髪の感触に混ざって鋭い刺激が小松の痛覚を刺激している。
見下ろすことは出来なくとも、どうなっているかは簡単に想像がついた。
熱い息を零して、簪で緩くまとめてある髪を崩すのも構わずに引っ張ると、小松の首元に張り付いていた福地がのろのろと顔を上げた。
ようやく見えるようになった小松の鎖骨には痛々しい噛み痕が残っている。
「噛むな、と…言ってる、でしょ……痕などつけなくとも、私は、ここに…いるのだから……桜智」
くしゃ、と緩くうねる髪を掻き混ぜると、福地は泣きそうに笑った。
その形のままの唇が重なるように、小松は首に腕をまわして自ら引き寄せてやった。
prev /
next