外側に向けて

君と僕との間に0と1の差がある。

大したことはないようにみえて、それでも「差」ができてしまっているのだから、

結果、僕には時間がない。

焦って答えあわせをする。

君と僕との間は1と17になった。

そうか僕には才能がないんだ。

なんて、だけど、今更 気付いたところで、その差は開く一方で。


たとえば君と僕がスクランブル交差点の端と端なんかに立ったとする。

そこからお互い歩き始めて、僕は人に躓きなかなか進めず、汗だくになって前後がわからなくなりスタート地点に戻る。

君は人をよくみて難なく進み、僕の横をまるで僕を嘲笑うかのように、立ち止まらず先にいっ てしまうんだ。

そうすると僕は君が気になって気になってあとを追いかける。

だんだん見えなくなる背中に苛立ち、立ち止まる。死にたくなる。

だけどそんなこと、交差点を行き交う人々はどうだっていいんだ。

僕のことなんか見えてやしない。

たとえ僕が道のど真ん中に倒れこもうと叫び出そうと、ああまたか、って気にもとめない。

そんな平和な世の中が、僕は大嫌いなんだ。

クソ食らえ、だ。



君と僕との間は-96と1121。

ああ、また、答えあわせをしなければ。

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