2.
「で、そのまま帰ってきたんですか?」
「そんなわけないでしょ。ほら」
オレ達、ボンゴレ10代目とその守護者が集まるテーブルの上に放り投げられたのは数十枚に渡る写真
それらを見ていると一枚の写真に目が止まった
「「…………」」
「なにこれ。誰?一緒に寝てるの」
「寝てはないよ。嵌められてそのままハメ撮り。犯されそうになったら気絶させて咬み殺してる」
椅子に座りながらため息を吐くのは雲雀さん。オレ達は今修行も兼ねて日本支部として本部から任務を受けており雲雀さんは氷曹学園という高校に潜入し、行方不明事件が多発している元凶であろう愛島沙季に対する潜入捜査を行っていた
そこで嵌められて今学園中から嫌われてるという彼女を好いているオレ達守護者を敵に回すような愚行をしているというのだから笑うしかない
「写真を撮るにはタイマーという方法もあるけど、このアングルでのタイマーは難しいから他に写真を撮った犯人がいる
そこでホテルのオーナーやショップの店員を脅しながら情報を集めてそのファイルに纏めた
愛島沙季は今まで何度も同じ手口で女生徒を5人嵌めては精神崩壊させたり自殺に追い込んだりしていた。ちなみに男子生徒は犯されたとその現場の写真を撮らせたり、暴力を奮われたとメイク用品であざを作ったりまぁ手の込んだことを繰り返しては監禁しているみたいだよ。ちなみに監禁場所は彼女の別荘がある海沿いの地下牢」
「2週間でそこまで調べ上げるなんて、さすがだな、ヒバリ」
「山本に同意見ってのは気に入らねーが、実力は確かだからな。しっかし、寝るところを写真撮られるのまで俺らに見せる必要あんのか?」
「見せて釘を刺したら僕のベッドに入ってこようとする邪な考えを捨てると思ってね
主に骸と山本」
「クフフ、そのようなことで諦める僕だとでも?このふざけた任務も明日で終わるのでしょう?」
「うむ。そうなれば明日からまたここにいるのだろ、ヒバリ
ならば明後日は俺と手合わせだ!」
「ダメだもんねー!恭はクロームやイーピン、ランボさんと買い物だもんねー!!」
雲雀さんの膝の上で騒ぎ始めたランボ。こういうのを子供の特権とでも言うのだろう
彼女は子供に甘い。特にランボとイーピンには
「というわけで残念。明後日は先約があるんだよ」
「恭、明後日はデパート行こう…?服と食材買いにいかなきゃ」
「もう食材なくなりそうなの?ねぇ、綱吉と獄寺、明後日暇でしょ?付き合いなよ」
「えっ、オレ!?」
いきなり話をふられた。なぜだ、と考えた結果、山本と了平さんは明後日はイタリアからコロネロがやってきて特別訓練を行う予定で、骸は明後日ボンゴレからの任務でフランスに発つ、明後日休みなのは獄寺君とオレだけだったのだと行き着き首を縦に振るしかなかった
いや、別にいくのはいいけど、どうせ荷物持ちのためなんだろうと思うと嬉しいのか悲しいのか半々だ
「はい決まり。じゃあ食材買い足しと服の荷物持ちは二人に任せようかな
クローム、夕ご飯作ろうか」
「うん…言われた下準備はできてる」
「ランボ、今日はハンバーグ作るから手伝ってくれる?」
「ランボさん、お手伝いするもんねー!!」
「じゃ、行こっか
ああ、そうだ。明日ランボ以外の守護者は来るんでしょ?」
「獄寺君には愛島沙季の家に行ってもらいます」
「へぇ、また何で」
「愛島の壊さないって信頼してるので」
へぇ、と興味なさげにヒバードやランボと戯れる雲雀さん。この人は獄寺君以外の全員が愛島の家を壊しかねないことを理解できているはずだからきっと面白がっているんだろうと自己完結させた
そんなことを考えている間に雲雀さんはランボやクロームと一緒に部屋を出て行ったのを見ながら一つため息をついた
「……面倒ごとがなければいいけど」
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