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「〜♪〜♪……よし、おはよー!」
ガラッ……と開いた扉と共に生徒達が一度にこちらへと首を向けた
わぁ、人気者になった気分だ!生憎、有名人でも何でもない一般人だけど
「おはようございます、10代目!お迎えにいけず申し訳ありません!!」
「い、いいよ……獄寺君!毎日来てもらったら悪いし……」
「ツナ、今日は転校生が来るってよ!」
「そうなの?仲良くできたらいいな……」
「ツナなら出来るのな」
「10代目に歯向かう奴は俺が蹴散らすんで心配はいらねーっす!」
「それが心配なんだけどー!?」
「HRを始めるぞー、席に着けー!」
いつもの朝、いつものやり取り、いつもの……
いつもの??
「始めましてぇ〜宇城実花でぇす!」
うわぁ……やだぁ……何あの厚化粧。キモい、しかも語尾伸ばすな
何だよ……この生き物は。本当に人間か?信じたくないな、おい
どうせ周りも同じだ、ろ……
「可愛いなー」
「仲良くなりたい!」
「性格よさそー!」
嘘だろぉぉぉ!?
え、何々、オレだけ?いや、オレはノーマルな感性だから普通さ、そうだよレッツポジティブシンキング☆
獄寺君が微かに照れてたり山本がデレデレしてるのも気のせいだよ、きっと!
「宇城に色々と質問があるだろうから1時間目は自習だ
疲れさせないようにな!」
……どうやら通常の感性を持っているのはオレだけのようだ
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