「やっぱりピッタリね
昔の服を置いててよかったわ」


「……似合わないと、思うんだけど……」


やって来たのはエレナ(そう呼べと言われた)の部屋だった。姿見の前に立たされて見た自身の服装に少し恥じらう
久しぶりに女物なんて着た。況してやドレスなんて……


「そんなこと無いわよ?」


「だ、だって……」


「ふふ、なら証明しましょう?」


「どうやって……?」


「ジョット達に見せるのよ!」


エレナは再び僕の手を引いて走り出した。走りにくい……っ

















「お待たせ。ジョット、スペード」


「あぁ」


「ヌフフ、いつもより輝いて見えますよ、エレナ」


「ほら、恭弥。恥ずかしがってないで」


「……ぇ、嫌だ……!こんなの、見ても誰も喜ばな……!」


ぐいぐい、と前に出されて羞恥に思わず下を向いた



「ホントに、女なんだな……」


「あぁ、恭弥。顔を上げてくれないか?」


「…………う、ん」


顔を上げてみるとそっぽ向くGとジョット、スペードと呼ばれた人も目を見開いている
そんなに似合ってないのかな……


「ほらね?似合ってるから自信持って!」


「でも、ジョットがこっち向かない……」


「いや、その……可愛くて、な」


「〜〜っ、」


「可愛い」と言われて顔が赤くなっていくのが自分でも分かる


「と、とにかく食べるぞ!」


「まだアラウディが来ていないでござる」


「あいつ……本当に自由な奴だな」


「アラウディも忙しいのだろう。ところで……恭弥の苗字は雲雀だったな」


「雲雀って確かこっちの言葉じゃアラウディってんだよな。偶然か……?」


「でも究極に似ているな」


目の前で繰り出される会話に疑問を浮かべる
出された食事を食べながら会話をしているとアラウディとは少し前の僕に似ているらしい
自由人で何事にも囚われない孤高の浮き雲。……でも僕は、囚われたようなものだから、今とは違うけれど……


「……で……や」


「恭弥、どうしたの?」


「!ぇ、あ…ごめん……」


「その傷は何なんだ。まるで襲撃にでもあったような傷ばかりだが……」


Gは目を細めて訊ねてきた。……言うべき、かな
食事も貰ったし、色々世話になっちゃったし……


「分かった……。話すよ
僕の時代に何があったのかを……」


そう口を開くと思い出される1ヶ月前




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