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「……ここ?」
「あぁ。まぁ、そう緊張するな
すぐに襲ったりはしない」
「……」
見れば大きくて豪奢な扉。居城なんじゃないかと思ってしまいそう
ジョットはそのまま扉を開くとテーブルに幾つか椅子が置かれて何人か座っている
「おせぇぞ、ジョット」
「悪いな」
「今に始まったことじゃねぇが……。ん?そのガキは誰だ?」
「拾ったんだ」
「はぁ!?拾ったぁ!!?」
うん、その反応正しい
まるで猫でも拾ってきたかのようにサラッと言ったよ、ジョット
「正確には森に倒れていたから保護した」
「森だと?あそこはセキュリティが掛かってて、普通は近づけねぇはずだ。……何者だ」
獄寺隼人っぽいけれど赤髪に刺青がある男は訝しげにこっちを見た
また嫌われるんじゃないかとどこかで怖くて……気づけばジョットの服を握り締めていた
「怖がっているだろう、G。俺の超直感が大丈夫だと言っているんだ、不審者じゃないさ」
「ジョット、とても可愛い
女の子ね」
「「「!!?」」」
「え、今何で…………」
目の前に来た女性がこっちに笑って言った言葉に僕も含めて全員が驚いた
「え、エレナ……?今何と言いました…?女性、という風に聞こえたのですが……」
「えぇ。綺麗な顔立ちだもの
男の子の格好をしているのは勿体ないわ。ちょっと借りるわよ、この子」
「?あぁ、構わんが……」
「じゃあ借りるわね」
そのまま手を引かれて部屋から出て他の部屋に入った
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