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「ふぅ……イーピンにも会いましたし、次はどこに行きましょうかね…」
街のとある一角でそう呟くのは最強の赤ん坊と謳われるアルコバレーノの一人である風
「キキッ!!」
「どうしました、リーチ?」
鳴き続けるリーチに導かれるまま風はある場所へと向かう。そこに聳え立つは彼自身も何度か来たことがある並盛中学校だった
駆け出していったリーチを追いかける風はリーチの止まった場所で目を見開いた
「……っ、」
「雲雀恭弥……?なぜ……。いや、今はそれよりも病院ですね…」
地面に横たわり、呻き声をあげる雲雀の体には数多の傷や出血が見られ、風はとある場所に連絡し、待ち人が来るまでに応急手当を行うと、やってきた者達が刺激しないように抱き上げて足早に病院へと向かうのをついていく
「風!」
風から連絡を受けたリボーンはすぐにやって来たのか息を乱しており、風を一瞥してから雲雀のベッドに近づく
「リボーン…これは一体どういう状況ですか?」
「……俺の知っていることを話すのはまだ少し後だ。きっとアイツらも口々に俺に問い詰めるだろうからな」
ピッ、ピッ、と遅く無機質な機会音が辛うじて雲雀が生きていることを知らせていた
ガチャ…
「おい、リボーン。どういうことだ、コラ!」
「何故、ボンゴレから雲雀恭弥の追放命令が出ているんだ!」
「捜索願いまで出ているなんて何事だい!?」
コロネロとラルを筆頭に次々と病室に飛び込んでいくアルコバレーノ達にリボーンはその小さな手で雲雀の頭を撫でてから立ち上がり口を開いた
「来たな。意外と指令は早かったか……。まず、俺の知っていることを全て話すが、信じるか信じないかはお前たちに任せる
だが、すべて本当のことだぞ」
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