「…あー……地味に痛ぇ……」


「今日も派手にやられたわねぇ〜。どうして気づかないのかしら、スクちゃんが女だってこと」


「知らねぇならそれでいいけどな……隠せてるってことだからなぁ」


とある一室で銀髪の女性、スクアーロをその同僚であるルッスーリアが怪我のある所に包帯を巻いていく


「……また増えた」


「きっと煩いわよ、つーくん」


「だよなぁ。でもよぉ、綱吉の友達だから殺したくねぇんだよなぁ……このジレンマ、腹立つぜぇ」


「羨ましいわぁ。二人ともラブラブで」


「ら、らら……っ!」


ルッスーリアの言葉にスクアーロは顔を紅潮させていく


「今さら照れることないでしょ〜?あら、戻ってきたみたいだわ」



ガチャッ……


「スクー!!」


「騒がないでくれる、綱吉」


「いいじゃねぇか。好きな奴の前だと騒ぎたくなるものだろ?」


「そんなの知らない
ってか、なんで来てるわけ、剣介」


「そこは気にすんな。つーか、俺はこれをスクアーロに渡しに来たんだ」


扉が開かれて入ってきたのはその部屋、応接室の主である雲雀とその同級生、持田、そしてスクアーロの恋人である綱吉だった



「誕生日、おめでとう。スクアーロ」


「サンキュー。これで三人目だぁ」


スクアーロは渡された袋を開けながら呟くと持田は首を傾げた


「三人目?」


「先客はそこの二人だぁ。お、春物のブーツじゃねぇか……(しかも、欲しかったやつだぁ…)」


「持田先輩に先は越されたくないので先に渡しちゃいました!」


「私はスクちゃんと同じ職場だからさっさと渡しちゃったわVv」


「畜生……っ、綱吉はいいとしてルッスーリアに先を越されたのは気に入らねぇ!」


「煩い」


ヒュンッ


ガスッ!!


「〜っ、雲雀……てめぇ、痛ぇじゃねぇか!」


「僕から君への誕生日プレゼントだよ。さっさと卒業生は出ていきなよ」


「こんなプレゼント、いらねぇ!」


「(卒業生って雲雀さんもなんじゃ……)」


「綱吉、僕はいつでも好きな学年だよ。だから卒業はしないから」


「暴君だな、お前」


「誉め言葉として受け取るよ」


「またスク、怪我してる!」


「う……っ」


「ねぇ……もういいよ。スクがこれ以上怪我するの見たくない……」


腕に巻かれた包帯を撫でながら綱吉は顔を伏せる


「お前の大事な友人、だからな」


「だからって……!
オレには、スクがいるから平気。それに……獄寺君達が死ぬわけじゃないから」


「綱吉……いいんだなぁ?」


「うん」


「つーくん……成長したわねぇ〜」


「本当だよな。少し前までピーピー泣いてたのによ」


「成長してくれなきゃ困る。面倒見なきゃならないこっちの立場も考えて欲しいよ」


ため息を吐く雲雀を始め、ルッスーリアと持田の顔にも笑顔が浮かんでいた






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