《雲雀視点》


「……っ、あぁ……容赦無いな……あいつら」


重たい体を動かして仰向けになるともう夕暮れだった
誰もいないから逆に気分は楽だった


「……僕があんな女、犯せるわけないのに…………」


検査もしていないのに決めつけるとか馬鹿らしい。病院の検査報告くらい見せなよ……
動くの辛いなぁ……、全身傷だらけなら仕方ないか……



「全く……少しでも期待した僕が馬鹿みたいじゃないか」



眠い……
一気にやってきた眠気に勝てずそのまま意識を闇に沈めた
























「……ん、」


小さく唸ると同時にギシ…という音と柔らかい布のようなものの感触を感じた

あれ?確か、屋上で寝て……
嫌われ者の僕なんて誰も運ばないはず


「……なら、誰が……」


「おぉ、目が覚めたか」


「……っ!沢田…綱吉……?」


「?その名は誰かは知らぬが、俺はジョットだ。ボンゴレT世とも呼ばれているがな」


「は……え?」


分からなかった。目の前にいる男はマントのようなものを羽織って金色の髪を靡かせている
でもどこか沢田綱吉と似ていて……。って、ボンゴレ……?


「ボンゴレ、T世……?どういうこと……」


剥奪されたけれど僕はボンゴレ]世の雲の守護者だった
]から、Tに……?


「見慣れぬ顔だったがアラウディの奴に似ていたから放って置けなくてな。この屋敷の森に倒れていたぞ。侵入者ではなさそうだから俺の部屋に運んだんだ」


「……そう、なんだ」


「何となく、なんだが……この世界の者じゃないのか?」


「多分……タイムスリップ、みたいな……?このボンゴレが]世まで続いて……僕はその守護者だったから」


「]世まで続いているのか。それは楽しみだな」


「ぇ……?信じるの……?」


思わず間の抜けた声を出してしまった
そんな簡単に鵜呑みにするなんて……


「普通ならば信じられないが、身なりを見ると信じざるを得ないからな
あぁ、名前を聞いていなかったな!」


「雲雀、恭弥……」


「ジャポネーゼ、ということは雨月と同じだな
そうだ、守護者を紹介しよう。今から夕食なんだ
一緒に来てくれ」


そう言って差し出された手は暖かかった──


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