一つ目

「初めに、君達と神無月早織の邂逅話を聞かせてもらおうか」


「は……?」


ディーノは思わず抜けた声をあげる。その側ではロマーリオも何を聞くのか、と言いたげな表情でガレリアンを訝しげに見る


「本当はそんな些細な事に私は興味の欠片も無いが、保持者が少し興味を見せているからね
……全く、憎らしい。保持者の興味を惹くなど」


「出会いって言っても……早織と出会ったのは、継承式ん時だよな?
話は聞いてたけど、ずっとボンゴレにいたらしいし」


「そうだな。だが、姫を気に入っていたからか、雲のガキが襲ったってのは苛立ったが」


「その通りだ。恭弥の奴、謝るつもりもねぇし……また戻ったら謝らせねぇとな」


「しっかし、姫も懐が大きいぜ
謝りさえすれば許してくれるんだからよ」


「それだけか?」


邂逅の話から罵倒へと変わり、暫く静かに聞き耳を立てていたガレリアンが口を挟んだ


「継承式、というと……恭弥様との出会いよりも後の時間ですね。況してやここ最近
つまり、出会って間もない女性を恭弥様よりも信じた、と。お父様……」


「あぁ。これは許せない愚行を見つけてしまったようだ」


自分達の行動を《愚行》と称されディーノは少し苛立ちを見せる

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