はじまる試練


「簡単に調べてみたが今のところ危険性はない。というか、むしろ休めるくらいの構造になってる
2階の部屋はちゃんと8人分あったしな……」


「……何か、ちょっと緊張感なくなっちゃった私……」


そのいちかの言葉に同意する翔子とテーブルの真ん中に置かれた小便小僧の置物を指さした。その物体に皆が気をつけるようにと英治が声をかける
そして横で口を動かしているクリスに瞬が何を食べているのか気になり皆が後に続くようにタンクから丸い食べ物を口に放り込んでいく


「雲雀は喰わねぇの?」


「いらない。数日くらい何も食べなくても平気だし、得体の知れないものを口に入れるのは嫌だから」


そんな中雲雀はソファから体を起こし再び室内を歩き始めたその時、部屋の中を1つの声が、否ーー複数の声が発される


「オゥ イェス!!」


「!!!」


「オイェス!」「オイェス!」


「おい……何だ何だ」

「やべ……キモチワル」


「……何かの合図……?」


ひとしきりその声ーー小便小僧から声が鳴り響き、閉ざされていたはずの扉が開かれた


「誰か来た!?」


「!!違う……」


「おい待て!!天谷!!雲雀!!危険だぞ!!!」


「始まる」


「!?あ!?ちょ!!瞬まで!?」


天谷が駆け出し、雲雀、瞬とその後に続き外に飛び出していく。そんな外のエリアでは小便小僧同士が綱のようなものを引き合っていた
その反対側にあった建物からも人が出てきたことを視認しながら雲雀は走る足を止めずに思考を巡らせる


「(反対側から出てきたのは8人、僕達と同じだ。おそらく同じような現象を経験している……そして綱。ひいて全滅、ーーやはり、綱引き)……っと」


「♪よっこい……」


「(やはり天谷はーー)」



「SHOW TIME!!」


「オッ」


「おら!!おら!!おらぁ!!!」


雲雀よりも早く辿り着いた天谷が1人で綱を引き雲雀は目を見張りながらも口元には笑みが浮かんでいた


「(規格外で、それでいて、人間だ)」


「構え!!オーイェイ」


引かれて宙に浮いた小便小僧から綱が引き離され代わりに現れたのはーー同じような他の小便小僧たちとロケットミサイルのようなもの
そして綱を引くことも出来なかった相手チーム8人が簡単に体を貫かれ屍が出来上がった


「おほっ♪うんうん……これこれ♪」


「オウイェス」


「勝ったのか?終わった?生き残った?俺たち……」


「OK、戻れ。4対3、ベイベーー」


「……ほかの部屋にも人がいるところを見た限りだとこれは」


「Wait for the NEXT!我慢だシェゲナベイベー」


「(ーー煩わしい、チーム戦)」



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