ネコは突然に


「ここ(体育館)の床に書かれてる、《ネコに鈴つけたならおわり》
おそらく、これをクリアするまで…外へは出られないのだろう!」


「ふわぁ……
(手のひらに乗るくらいの大きな鈴についたタイマー…おそらくダルマの時と同じ制限時間が設けられてるんだろうね
ネズミ着……着た方がいいのかどうかは状況を見てからにしようか)」


雲雀が床に集まった高畑達を見下ろすように二階部分の柵に座り欠伸をしていた
その時、爆発音が鳴り響き大きな揺れが起こった


「爆発!?」


「えっ、何コレ!?」


「何だ!?地震!!?」


狼狽える中地響きに続くようにキュインキュインとアラーム音のようなものが大きく鳴った


「あっ!?何だ!?何の音だよ!?」


「あ!」


「(……ここからじゃよく見えないな…でもアラーム音ということはタイマーが始まったと考えていいのか)」


「おい!皆!鈴を見るんだ!」


「「「!!?」」」


「タイマーが動き出した!!制限時間はーーー」


「!!上か!」


「10分だ!!」


雲雀が天井を見上げたのとA組の松尾の叫びがほぼ同時だった。そして落下してきたのは天井の破片ではなく、まねきねこのようなものが真下にいた森川を踏み潰して現れたのだった


「……変化?」


「えっ」

「あっ」

「ひ…

ひこにゃん…………!」


「は!?え…ひこ…、…え?
瞬!!」


「……へぇ、高畑の表情……」


カシャ、という音が聞こえたのはその音の主であるスマートフォンを持った雲雀のみだった。一方高畑達は目の前に聳え立つまねきねこを見ていたが、やがてゆっくりと前進をしている


「き…来た!!!」


「進んでるじゃん!!キャタピラ的な!?」


「何だアレ、首のとこ…バスケットゴール?」


「(ネコに鈴つけたなら終わり……そうか、なるほど
でも手助けをしたら情が移るんだよね……僕はあくまでも道具だ。道具が情を持つべきじゃない)」


そして次々と殺されていく生徒たち。今の所共通点があることに雲雀と高畑はほぼ同時に気がついた


「皆、聞けぇえ!!!
ネコはネズミを狙って来るぞぉぉお!!!」


「(そう、でも…ネズミ着はきっとそれだけじゃないはず。損もあれば得もあるはず……)」



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