ネズミの集合


【お前はネズミや】


「?」


【もぉすぐ来るでぇ〜、ネコ来るでぇー
早よ体育館行きなはれ】


「……生きたいなら行けってことかな、これ
(今まで屍ならいくらでも見てきた老若男女問わずで殺される者に餓死する者、幾度となく死体を見てきたのだから
体育館、だっけ。…面倒だけど行くしかないか。まだ死ねないし)」


雲雀は死屍によって埋められた教室を見下ろしながらダルマに告げられた体育館へと足を進めていくとそこには既に何人か着いていた


《ネコに鈴つけたらおわり。》


「……ネコに鈴、ねぇ
(鈴は生徒会長の手元にあるし、ネコがどういう意味なんだろう
体育館の床に書かれた意味を考えても中々まとまらないな)」


「雲雀!貴様もネズミ着を着ないか!!」


「煩い、森川。僕に指図しないでもらえる?」


「ぐっ……!し、しかし生徒会長命令には……!!」


「雲雀先輩!従ってください!!」


「……。じゃあ君達はこのネズミ着とやらを着れば助かると思ってるの?」


ガラッ……と音を立てて入ってきた男女……B組の高畑瞬とC組の秋元いちかが床に書かれた文字を反芻する



「ネコに鈴…?」


「何アレ!?」


「おーい!!!君たち!!!
ボーッとしてないでこっちに来い!!早く着替えるんだ!!」


「は?え?」


「何なの?」


「何してる!?早くしないと《ネコ》が来るぞ!?
そこの《ネズミ着》に早く着替えるんだ!!」


「(3年と1年は仲良しこよしってわけか)」


「これじゃない?《ネズミ着》って……」


「ってか雲雀……?Fはお前が?」


「当たり。で不可解なのが自分の名前が入ってること」


雲雀が一瞥しながら告げた一言を確かめるように瞬と秋元がネズミ着を手に取る


「えっ、ほんとだ…。何で俺らの名前、書かれてんの?」


「てか何でネズミ?これ本当に着るの?」


「早くするんだ!!この生徒会長、森川からの命令だぞ!ネズミ着を着ろ、2年!!」


「……煩い」


唾を飛ばしながら叫ぶ森川の声が鬱陶しそうに顔をしかめながら舞台上の森川の目の前まで移動すると彼は雲雀に気圧されたのか一歩下がる


「!ひっ!」


「僕はあの人達以外に命令されるのが大嫌いなんだ
僕は僕のしたいようにする。額縁の中の人間が粋がるな」


雲雀が吐き捨てると慣れた足取りで体育館の二階の手すりへと座り体育館を見下ろす格好になる


「嫌!私、絶対これ着たくない!!ダサすぎ!」


「何で2年は皆そうなんだ!?」

「先輩に逆らう気か!?」

「着た方がいいですよ、先輩!」


「もしかして、あの人たち全部……3年生と1年生…?じゃあ他の2年生は…」


「アイツらの言う事なんか聞くなよ、瞬!
2年(おれら)は2年(おれら)でやろうぜ!」


「ていうか、あんなダサいの着たくないしね」



「(A組の松尾とD組の吉川か……
ん?E組のやつがいない……
本来は各学年で6クラスの合計18人いるはず。けど今いるのは17人……)
あれ、E組って誰がいたっけ」


雲雀は記憶を掘り返していると下では3年の花岡と瞬、秋元の3人が体育館から出ようと試みるが全く開く気配がなかった
そして全員がやるしかない、と決意する


.







- 6 -
≪ |


[Back]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -