そして銀の斧が、お前の首を切りにきた!



初任務は薬師を営むヴァンパイアの殲滅。
夜分に日焼け止め売ってる店って何のフラグだ。
店に入って早々罠にかかるリンカーン。
床が抜けて地下に逆さ吊りって店自体が狩り場なのか。
おまけに右を見ても左を見ても逆さ吊りご一行が。しかも血が滴り下のお皿に溜められている模様。
ハリウッド版纐纈の城か。いや彼岸島のあれか。
生活範囲にある分うっかり遭遇フラグはこちらが高いですね。

初回で吊るされた男状態とはえらいこっちゃですが、「不測の事態に備えよ」と師匠より口酸っぱく言われていたので無問題。
懐から滑り落ちた銀のナイフを口でくわえそのまま薙ぐ!こうかはばつぐんだ!
さらに反動で足の縄を切り斬撃を食らわせて最後は斧でフィニッシュ!
主人公なのに微妙に怖いのは手斧がクリーチャー側の武器だからですかね?
ハルバートみたいな柄の長いタイプは主人公側でも持ってそうですが、手斧だとブギーマンが持ってそうですし。

そういえば、この映画では聖水や十字架で負傷させたり判別の為に用いられたりはしません。
教会?に立ち寄らないような描写はあるもののそれ以外は特にないんですよね。
大聖堂の十字架や法儀式済みでなくとも銀の方がよっぽど効くらしい。
銀歯でもやれそう。それなんて大尉だ。

二回目でシルバーコウティングなうな斧が実は柄の部分が仕込み銃であることが判明。銃剣ならぬ銃斧。おおっ(・∀・)
ヘンリーが紹介で富豪とあるのも納得。
銃弾は鋳造できても斧にギミック仕込むのは流石にリンカーンも出来ないだろうし。
三回目の狩りまでは映像化されていました。
暖炉?鑪?みたいな所にヴァンパイアの頭を突っ込む所業。お、おう(;゜∀゜)
相手が異形とはいえかなり堪える情景でしょう。
おまけに首を切り落とし復活しないよう埋めるまでがお仕事です。

彼はこのスプリングフィールドで六体の首なし死体を量産します。
史実で1835年当時は1500人足らずの町。
映画はその二年後、1837年ですのでどんなに増えても現在の10万人強はないとして仮に1万人でもヴァンパイア潜伏率はかなりのもの。
しかもヴァンパイアは医者や銀行屋など割りと不特定多数と接する職業に就いているので接触率はかなり高い。
雑貨屋の店員が人々の平和の為ジャッチメント下してるのも怖いですが、ヴァンパイア遭遇率のやばさも怖いです。

地味に人間不信になりそうですが、運良くリンカーンには愛する人たちが出来ます。
ただ、ヘンリーはハンターの心得として「家族や友人を持ってはならない」と戒めいました。
これは人知れず行わなければならないハンターの仕事柄もあるでしょうが、後々判るヘンリーの事情に照らし合わせると二重に切ない掟です。
それが頭の片隅に在りながらも、リンカーンは雑貨屋店長スピードと交流を深め、地元の名士のご令嬢メアリーとも仲を深めていきます。

一応葛藤があるのかはっきりと恋人とならずにいたら宿敵バーツがメアリーを標的に。
ヘンリーからもバーツ討伐指令が届きます。
でも何故懐中時計なの。これだから金持ちはとでもいえばええのんか。
荒野にて馬を八艘跳びしつつ斧振り回しつつバーツ討伐。
よく弱点が日光なヴァンパイアにしては珍しい白日の下での決闘です。
ここのヴァンパイアには基本四六時中怯えてないといけないので大変です。
ハンターもリンカーンを見る限り対ヴァンパイア探知能力がある訳でもなく、ヘンリーの指示や事前情報がなければ出たとこ勝負なんですよ。
プレデターやエイリアンと遭遇したようなもんですね。

バーツ討伐でリンカーンの復讐は成されたのですが、感傷に浸る間もなくヴァンパイアの族長たるアダムが始動。
バーツが死に際に握りしめた指令つき懐中時計がアダムの手元に渡り本格的にリンカーンvsアダム'sファミリーの構図に。
ちょ、ヘンリー!!


と、思ったらヘンリーの秘密も明らかに。
リンカーンの師匠たる彼も実はヴァンパイアだったのです。
起き抜けに日焼け止め塗ったり、屋敷が基本薄暗かったり、外の稽古はサングラスだったし色々フラグはありましたけど。
さらにアダムによって愛する人を目の前で殺され、挙げ句異形にされてしまった曰くつき。
しかも仲間、つまりアダムは殺せないのです。
リンカーンをハンターにしたのも殺せぬ己の代役でもあったようです。
「家族や友人を持ってはならない」という掟は長く終わらぬが故に誰とも最期まで添えない彼の人生からきたようにも思います。

ヘンリーの事実にショックを受けたリンカーンは以前からあった不信感も相まって仲違い。
そんな最中友人ウィルがアダムの策略で拐われる事態に。
ウィルを餌にアダム's屋敷の晩餐会にご招待。
ちょっと田中が期待してた「友人を食事に…」フラグの回収の仕方が違うよ!

ここで奴隷制度がヴァンパイアの食料供給を担っていた事実が発覚。
リンカーンはそれを断ち切るべく奴隷制度廃止へと動き始めるのです。
この時、彼は闘争ではなく言論によって根源を断つ為あの斧を封印します。
復讐を糧に闘っていた彼が、全人類の為に戦う決意をした瞬間ですね。
初めは人類の為と言っていたヘンリーが根底では自らの復讐を果たそうとしていた点から、ある意味立場が逆転した瞬間でもあります。


時は流れ、大統領になったリンカーン。あのドンパチしてた時点では弁護士、無理しても下院議員である。なんてこった。
ウィルとスピードも側近として働いています。逃亡奴隷(仮)と雑貨屋がえらい出世です。
メアリーと幼い我が子に囲まれ忙しいながらも幸せに暮らしている模様。
しかし歴史の暗部は確実に侵攻しているのです。

奴隷解放を巡り南部連合と北部連邦の対立は激化、南北戦争が始まります。
次第に状況が不利になった南部はヴァンパイアを戦場に投入。サングラスあれば日光おkな怪物引き入れるなんぞ何たる鬼畜。
お陰で戦死者が量産されます。

どんなにチート気味でも何かしら弱点があるのがヴァンパイアの面白味。
リンカーンは絶対的弱点である銀をかき集めて弾丸を作り、それを自ら護衛しながら輸送列車で戦地まで運ぶ決断をします。
そこで久々に銀鍍金の斧登場ですよ!
一応昼は大統領〜の部分は守られた!
注目はリンカーンもですが、ウィルとスピードです。
ウィル、お前は壮年かつ一般人なのにヴァンパイアと列車アクションを繰り広げて大丈夫か。
スピードは、うん、リンカーンの情だけでは成せないことを引き受けていた感じがひしひしします。
列車争奪戦とラスボス戦は見所なので興味がある方はどうぞ。
正直田中が文章にするとしょぼいので(・ω・`)

色々あって史実通り南北戦争に勝利する訳ですが。
前回の日記をヘンリーに託す冒頭に戻ります。
いつ何時深酒しようが列車護衛してようが日記に認めていたリンカーン。
日記は彼の軌跡であり真実であり、彼の物語を構成する重要なファクターです。
邦題の秘密の書もこの日記を指すのでしょう。
劇場へ赴く前にそれをヘンリーに渡して彼が乗る馬車が遠ざかるシーンでリンカーンのお話は終わります。
おおおリンカーンいくなぁぁぁぁ!!と志村うしろ!くらい言いたい気持ちになりましたが仕方ない(´・ω・`)

最後の決戦を経てリンカーンとヘンリーは手段は違えど目的、いや目標は同じ友人になった雰囲気がして良かったです。
アダムとの決着がヘンリーの目的でしたから、それが果たされても尚どこか晴れ晴れしくちょっとお茶目をかます彼は一つの終着点と新たな出発点を見たのでしょう。
長い永い彼らの生を考えるとそれは僥倖ではないでしょうか。

そして現代、とあるショットバー。
「深酒をする時は、女を口説く時か人を殺しにいく時だ」
ヘンリーは見知らぬ黒人に声をかけそこでend。
もしやその黒人、現大統領お、いや何も言うまい。
スパイダーマンだってなるくらいだもん、ね?

リンカーンの物語ですが、ウィルのアクションショーであり、ヘンリーの叙情詩でもあり、となかなか楽しめたと思います。

大統領がヴァンパイアハンター、その発想嫌いじゃなかったぜ!

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