zero おまけ1


 高貴な方に仕える執事。
 その執事になるために、見習いをしている、歳の頃、十六七の双子がいた。
「や、やめてよ」
 兄は両手をタイで拘束され、弱々しく哀願した。
 ワイシャツは前が開けられている。
「やめてほしいなんて思ってないだろ」
 弟は、その手を頭上で掴んだまま、自分と同じ顔をした兄に、口づけた。
「ん、誰かに見つかったら」
「鍵は閉めた」
「でも」
「うるさい」
「っ」
 胸の突起に歯を立てると、兄は悶えるように、躰を捩った。
「感じてるくせに」
「違っ、あっ」
 弟は兄のベルトを外し、隆起したそれを強く掴んだ。
「何が違うって」
 それを上下に擦る。
「あ、やだ」
「口でしてほしいか。それとも」
「んんっ」
 反対の指を兄の口に入れ、濡れたそれを後孔にあてがった。
「こっちか」
「ああっ」

「あ、大丈夫です。兄は少し休めば回復しますから。すみません、ご迷惑をおかけして」
 無邪気な笑顔に、申し訳なさそうな態度を付け加え、弟は頭を下げた。
 扉を閉めると、にやりと唇を歪ませる。
「おまえのせいでオレが謝るハメになったじゃないか」
 ベッドに横たわる兄に近づき、上から覗き込んだ。
「誰のせいだよっ」
「おまえのせいだね。たかが一発抜いたくらいで、気を失いやがって。そんなに良かったのか」
「バカっ」
 兄は弟に枕を投げつけた。
 弟はそれを受け止め、ベッドに置く。
「元気だな。じゃあお仕置きだ」
 横たわる兄に口づけた。
「ん、ふぅ。も、やだぁ」
 兄はささやかな抵抗を試みたが、無駄だった。
「躰に訊いてみるさ」








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