ゆにばーさるばにぃ!


ラキショ4無配ポスカのSSでジャンジャン。M@KOTOさんにイラストを付けていただきました!



 ふわふわのブランケットが敷かれた大きなバスケットにたまごが五つ。通称「ジャンのたまご」、色々なジャンが生まれてくるたまごだ。幹部達は目に入れてもあそこに入れても痛くないくらい愛情を込めて育てている。暇さえあれば時計の音を聞かせたり車に乗せたり、ナイフをあてたりガーターを穿かせたり。だが今日は会議のせいでたまごを持ち歩けず、DSPで最も安全なカポの執務室にまとめて置き、部下を配置して大切に大切に保管していた。
 会議が終わった真夜中。ひとつのたまごに罅が入った丁度その時、幹部四人が部屋に勢いよく飛び込んだ。孵化し始めているたまごに気付いて全員声を潜める。大の大人四人が鼻がくっつくほど頭を寄せた。ぱかり、とたまごの殻が割れて姿を現したジャンたまは。
「ストロベリーキャンディちょーだい?」
「えーガムが良い」
 双子だった。ふわふわ衣装の白うさぎ、きわどい絶対領域黒うさぎ。
「悪い、遅れた……って、俺のたまごじゃん!」
「ジャンの?」
 息を切らしスーツを乱し部屋に戻ったジャンが目を輝かせると。掌サイズの二匹はぴょんぴょん跳ねてぴたりとジャンにくっついた。
「パーパおかえり」
「パーパのこと待ってたのに」
「全然帰って来ないし」
「二人でするのも飽きたから」
『悪戯しちゃうぜ?』
 ひょんと声がして、ぽんっと白黒うさぎが大きくなる。人間サイズになった二匹はジャンに身体を擦り寄せ上目遣いでおねだりした。
「どんな甘いのが欲しいって?」
『パーパのキス!』
「はいはい」
 ジャンが二匹の腰に腕を回して抱き寄せる。白うさぎが首筋に鼻を埋め、黒うさぎが頬に鼻を擦り寄せうっとりと目を細めた。
「パーパのにおい……」
「っあ! おい、くすぐったいって」
 ぶるりと身震いしたジャンは二匹の頬にちゅ、ちゅとキスをした。
「こんなんじゃ足りねえって知ってるだろ?」
「キスより……な?」
 白うさぎがスーツ姿のジャンの腕を組み、黒うさぎが足を絡める。
「キスより、なに?」
「っ、言えるかよそんなの」
「イタくて気持ちイイことに決まってるだろ」
「……えろいこと?」
 頬を赤くした白うさぎの顎を黒うさぎが掴んで上を向かせた。ジャンが二匹の頭を撫でて髪を乱す、幹部は見ていることしか出来ず、
「それより仲良くドルチェな? あーん」
「んっ、ふ……あまい」
 ジャンが指で掬ったジェラートを白うさぎが舐め取る。夢中で指にしゃぶりつく白うさぎの首筋に垂れたそれを黒うさぎが舐めた。
「なぁ、もっと……」
「えろい顔」
「お前だって同じだろっ」
 ここが天国ですか、ていうか俺も欲しい。幹部の心が夢を見る。



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