栞

The End Of The World
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Category : Diary
Update : 2015/08/30[Sun]18:00



■ 月曜日[曇]── 渋谷

 雑居ビルの外壁補修工事。地上7階での作業。近接する雑居ビルとの隙間が1mもないためにアンチ(メッシュ状の足場)が架けられず、単管(円柱状の鉄パイプ)を2本、並べただけの足場上で地味な作業。足を踏み外せば真っ逆様だが、高所の恐怖よりも、壁面の換気扇からもうもうと排出される中華料理屋の油の匂いにヤられる。頭痛と吐き気に悩まされた1日。



■ 火曜日[曇]── 小平こだいら

 分譲マンションの基礎工事。まだ弊社の施工部がほとんど存在しない状態なのに、コンクリート打設の相番(あいばん:間接的に関係のある職種の人間が施工に立ち会うこと)に参加。確かに1ケ所だけ弊社担当の施工部はあるのだが、直接の影響を受けるのは今週の金曜日(打設区画が広いので2日間に分割して行なう)の打設。つまり私の出番は金曜日。なのになぜか駆り出されて1日を費やす。特に監視する部分もないのに居なきゃいけないんだってさ。



■ 水曜日[雨]── 国立くにたち

 分譲マンションの新築工事。大型資材の大量搬入。土砂降りの雨の中での荷捌き。というか、まだ要らない資材が異様に多い。要らないのになんでこうも発注するかな。有象無象の現場内のどこに仮置きしとけばいいのよ。監督に尋ねたら、案の定「んな場所なんかねぇよ」と愚痴られる。でももう返品できないし。しかたなく上階のすみっこに仮置き場を設ける。そしてロングスパン(工事用エレベータ)に乗らない。資材がデカくてギリギリ乗らない。なんだよもう。しょうがないなぁ、内部階段で……通らない。資材がデカくてギリギリ通らない。あぜんぼーぜん。やむなく最後の手段、足場と足場の隙間から手で揚重ようじゅう。天文学的に重い。パンツも中身もヒッタヒター。うおー!!



■ 木曜日[曇]── 目黒

 賃貸アパートの新築工事。確かに資材は大型だけど、たったの4部屋ぶん。楽勝だぜ!──と思ったら、そのうちの2部屋は2階にあり、しかも階段がまだ設置されてない(アパートの新築工事あるある)。また手でげんのかよ。しかたないなぁと覚悟してトラックを待つも、ぜんぜん来ない。で、しばらくしたら運転手からの電話。現場の200m手前で「エンストしました」ですって。迎えにいけば車道の中央にトラックが立ち往生。とりあえず目の前の一般宅の敷地をお借りし、トラックを手で押す。避難完了後、資材を手で担いで200mの距離を奔走。そして2階まで手で揚重。手、手、手ぇぇぇ!!



■ 金曜日[雨]── 小平

 分譲マンションの基礎工事。きました火曜日の後半戦。でも監視対象は1ケ所。しかもコンクリ打設の流れ的に、監視対象に影響があるのは作業終盤。つまり終盤まで現場を離れられず。なにこのクソな1日。どうやら貧乏クジを引きつづけていると遅れ馳せながら気づく。



■ 土曜日[雨]── 渋谷

 雑居ビルの外壁補修工事。月曜日のつづき。雨、燦々と。なのでカッパを着用。寒いからちょうど良いだろうと思いきや、カッパの中は予想以上に蒸し暑くて大量発汗。作業着はびしょ濡れ。結果的にはカッパを着ようが着まいが濡れることに代わりがなかった。もういい。16時に作業を切りあげる。なんだか電車を使う気分になれなかったので1時間をかけて新宿まで歩く。西新宿。スゴい数の中国人観光客。建設作業員、昔は中国人が多かったが、今やベトナム人に取って代わられてる。わずか10年の間のムーブメントだけど、なるほど、時代は確かに移り変わってる。そして私は相変わらず。



■ 日曜日[雨]── 練馬

 前日20時に就寝。本日15時に起床。所要爆睡時間、実に19時間。寝すぎるとあたま痛くなる人体の神秘のせいで1日がムダに終わた。




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Nanase Nio
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