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君の名残り

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掻き消えた。目の前で。
抱き締めた感覚も甘やかな香りもあまりに鮮烈で。忘れようにも忘れられない。
思い出ばかりが消えないのに、時は無情にぬくもりを奪ってゆく。
どうして 何処へ。口付けの甘さも 耳朶を掠めた吐息も 涙を湛えた瞳も この腕の中にあったのに。全ては儚く 一夜の夢の如く淡く。ただ手のひらをすり抜けていった。

(リドル/君の名残り/革命前夜)

   

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