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片想いの終わらせ方

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「好きだよ」
頬杖をついてその横顔を見つめている内に、言葉は自然と零れ落ちた。びっくりしたように目を見開いてこちらを凝視する彼は何時に無く慌てているようで、その様子が酷く滑稽で愛おしく思えて私は小さく笑った。告げるつもりの無かった想い。行き着く先は知っている。貴方はあの子を見ているのだと、外の誰より貴方を見ていた私は知っていた。真綿で包むように優しく、大事に大事に育ててきた想い。捨てるには惜しいけれど、抱え続けて行くには重過ぎた。
だからここで終わらせよう。そして静かに朽ちてゆく。それでいい。それがいい。何ひとつとして望まない。

(片想いの終らせ方)


 

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