×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

Short Short Log

消し去りたい

21/53


鏡だらけの必要の部屋でただひたすらに鏡を割る。
父親には使えない魔法で父親に生き写しの顔を幾度も砕いて踏みしだく。
割っても割ってもなくなるのは鏡に写った虚構の顔で 自分の顔は変わらない。
見たくないのに見てしまう。ずっとずっと、父親が、父親こそが 魔法使いだと信じていたのに。頭の天辺から爪先までこの姿は父親に瓜二つだというのに。
信じていたものが崩れ落ちて、頭では理解出来ても心は付いて行かない。
思うようにならない自分の感情が、こんなにも不快なものだとは認めたく無かった。
昨日まで何とも思わなかった自分の顔が 言葉に出来ない程に憎らしくて ただ我武者羅に杖を振った。

(リドル/消し去りたい)


リドルが自分の出自を知ったのはホグワーツ入学後。つまりそれまでは父親が魔法使いだと思っていたわけで、真実を知った時は大分荒れたんじゃ無いかという妄想。

 

  back