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突き進む道は これしか知らない

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僕はいずれ死ぬのだろう。それは物語に語られるようなうつくしく冷えた死では無く、ただ生々しく泥臭い死なのだろう。
突き進む道の先に光が見える日なんて永久に訪れ無いことを、僕は知っている。

人に死を与え、人から生を奪うことを続ける僕は、ゆくゆくは死に呑まれるのだろう。
けれどそれは 今では無い。

僕は愚かで、与えられた役割を果たすので精一杯な程度の力しか持ち合わせていない。
僕は愚かで、自分の歩む道の全てを自分で選び取ることなど出来ない。
僕は愚かだが、自分が愚かであることを知っている。

兄のように根本から与えられた運命を変えることは出来なくても、結末くらいは変えてみせる。

僕の死に場所は僕が決める。


(レギュラス/突き進む道は これしか知らない)

クリーチャーが洞窟へ行った後の話。もう後戻りは出来ないところまで来てしまって、突き進むしかないレギュラス。不器用なりに覚悟を決めた小さな王。

そんな彼がただひたすらにかなしくて愛おしい。

 

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