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kobakoまとめ *2022.9月号
・ほぼ魔族長と部下夢主(+たまにリザル)の会話文です。
・時系列等々バラバラ
・series設定の話も含まれています。


▼季節の変わり目

「だいぶ涼しくなってきたなぁ。今夜は心地よく眠れそ、」
「リシャナッ!!(バァン!!」
「ひい!!?」
「今夜は随分と冷えるようじゃないか!! このままではお前の愛しの主人が寒さのせいで体を壊してしまうかもしれないねぇ!?」
「いや、そんなに寒くないですし、そもそもマスター風邪ひいたりしな、」
「さあ、部下としての務めを果たしてもらおうか!? いっそのこと、このワタシの胸の中で抱き潰されてしまえばいいよ……!!」
「思う存分ぎゅーしてもらって大丈夫なので落ち着いてください、マスター……!!」

▼ちゅぱ族長

「マスター」
「何」
「……最近、朝起きたらやたら唇がしょぼしょぼしてるというか、なんだか皮がふにゃふにゃしてる気がするんですけど」
「…………」
「私が寝てる間に、何かしてます?」
「…………フ」
「なんですかその意味深な笑みッ……? 絶対に何かしてますよね……!?」

▼言い訳ド下手部下

〜久々の監禁プレイに耐えきれず、窓から脱出したらすぐに主人に見つかりました。

「……お前にこの部屋から出る権利はないと、そう言ったよね?」
「へい」
「にも関わらず堂々と窓から飛び出すなんて。どう申し開きをするのか、かえって興味深いね?」
「……えっと、ですね」
「返事は二秒でしろ」
「ま──窓もお部屋の一部だと思いまして!!」
「…………色気も面白みもない回答」
「(心の底から蔑んでる顔された……)」

▼くしの日

「…………むん」
「そろそろ切った方がいいです?」
「……まだ何も言っていないだろう」
「手櫛しながら不満そうな声出されたら、察しますよ」
「つまり、自覚があるのに手入れを怠っていたということか。怠惰を極めた部下には仕置きが必要だね?」
「勝手に切ったら烈火の如く怒り狂うのマスターじゃないですか……。……あと、切ったら切ったで手櫛が出来る量減ってまた怒りますし」

▼乗ったら見えないですし

「リシャナ」
「……ちょっとだけ待ってください、マスター」
「は?」
「お膝乗りたいんですけど、ちょっと、待ってください」
「…………」
「…………(じー」
「…………」
「……はい、乗ります。見て堪能しました、組まれたマスターの美脚」
「……窓の外まで蹴り飛ばしてあげようか?」

▼そのあたりも気遣ってくれる優しい先輩

「……今日のマスターもかっこよかった」
「そーかい。そら何よりダナ」
「ねえリザル。……魔物の子たちの中に、マスターのファンっていたりしないの?」
「俺に聞くなよ。トカゲ族はンな感情持つ以前にあの人との出会い方が強烈すぎたし、他の魔物がどう思ってるかなンて知ったこっちゃねェしよ」
「そうなんだ……。……この感情を共有したい気持ちがあるようなないような、複雑な気持ちなんだよね」
「やめといた方がいーんじゃね?」
「……嫉妬しちゃうかな、やっぱり」
「ンにゃ、そもそもお前ほどの執着心で着いてこれるヤツがいねェから、感情共有する前にドン引きされるのがオチだろ」
「…………なるほど」

▼憧れのくーるびゅーてぃー

「マスター……一つ、聞いてください……」
「……何」
「この間勧誘した一族の子たちに、さっき挨拶しに行ったんです。魔族なのにとっても謙虚な子たちだなって思ってたんですけど、」
「…………」
「マスターと一緒にいる私を見て……『いつもギラヒム様の隣で冷静沈着でいらっしゃるから、怖い方なのかと思いました』って言われ、まして……」
「……へぇ」
「私──黙ってたら冷静沈着に見えるんですかッ!?」
「見えない」
「……ですよね」

▼憧れのくーるびゅーてぃー 続き

「……って、マスターには一刀両断されたけど! でもあの一族の子には少なくとも冷静沈着に見えてたんだから、頑張って必要最低限の発言に絞ろうかなと思って……! どうでしょうか、リザル先輩!?」
「……そりゃ黙ってたら誰でも冷静沈着に見えンだろーし、もう既に出来てねェだろソレ」
「むー……、……でも、たしかに気づいたんだよね」
「何にだよ」
「マスターと一緒にいる時に冷静沈着に見えてた私……たぶん、マスターが猛烈に不機嫌な時で、下手に刺激しないよう全力で静かにしてただけだなって」
「俺もそういうこッたと思った」

▼なれなかったくーるびゅーてぃー

「さて……とっとと作戦を実行して、あの一族を根絶やしにしてあげようか」
「……はい、マスター」
「…………」
「…………」
「……(フゥ」
「んひゃいぃ!!!?」
「……間抜けな奇声」
「マスターがいきなり耳に息吹きかけてくるからじゃないですかッ!! せっかく見た目だけは冷静沈着になってたのに!!」
「……自分がいかに馬鹿な発言をしているか一度冷静に考えてみるべきだろうねぇ」

▼私と主人とキュイ族

「…………」
「へんな姉ちゃん、今日は怖い人と一緒キュー……?」
「ごめんね、怖い人と一緒なんだキュー」
「……おい」
「す、すごい睨まれてるキュ……! 食べられるキュ……!?」
「大丈夫キュー、私のマスターは私以外には噛み付いたりしな、グギュウッ!!」
「……とりあえず、お前のその間抜けな語尾をやめてもらおうか、リシャナ」
「キュ、キュウ……」

▼私と主人とキュイ族 続き

「キュ、キュー……絶対食べられるキュ……怖いキュー……!!」
「ほら、怖がっちゃったじゃないですかマスター! せっかく道案内してもらおうと思ったのに!」
「お前がふざけた真似をするからだろう。どうにかしろ」
「横暴ですよ……。……ほら、キューちゃん、抱っこするから元気出してー」
「キューちゃんじゃないキュ、マチャーだキュ……」
「それにしても柔らか……抱き心地最高……」
「姉ちゃん、聞いてるキュ?」
「聞いてる聞いてる」
「…………」
「むふー……」
「…………(ぎゅう」
「へ……マスター、なんで私のこと抱きしめたんですか……?」
「うるさい」
「変な兄ちゃん、変な姉ちゃんのこと大好きキュ?」
「え」
「……うるさい」

▼激烈に機嫌が悪い時

「マスター」
「…………あ?」
「……すみません、忘れてください」

▼猛烈にご機嫌斜めな時

「リシャナ」
「………………なんすか」
「(指クイッ」
「…………、……(ぽす」
「……その間抜けな膨れ面をしておいてなお主人の膝に乗りたがるなんてね」
「……マスターが呼んだんです。私じゃないです」
「フッ……そういうことにしておいてあげるよ」
「む……」

▼魔族長と待ち合わせ

「あれ……マスター、いない? たしかここで合流するって言ってたはずなのに……」
「ッフゥン!! 随分遅かったじゃないか、馬鹿部下!!」
「マスター? どこにい……て……え、」
「このワタシを待たせるだなんて、仕置きを受ける覚悟は出来ているんだろうねぇ!?」
「な……なんでそんな高いところにいるんですか、マスター!? 100メートルくらい離れてる……!」
「決まっているだろう!! ワタシより高い位置に立つことが許されるのは我が主だけ、だからだよッ!!」
「よくわからないですけど声張るの大変なので降りてきてくださいマスター……!!」

▼セルフ逆さ吊り長

「マスター、失礼しま…………ぎゃあ!!」
「…………るせぇな」
「な、な、どうしたんですか!? 何してるんですか!?」
「見ればわかるだろう。いちいち騒ぐな鬱陶しい」
「いきなりベッドから上半身だけ落ちて頭逆さまになってるマスターの姿見てわかることなんて何もないですよ……!! ほら、髪の毛ぐしゃぐしゃになってますよ? 頭に血が上っちゃいますし……」
「チッ……この俺が頭に血なんて上るわけがないだろう」

 *

「で、どうしたんですか、いきなり」
「……考え事をしていただけだ」
「……昔のことですか?」
「…………、……何故わかった」
「なんとなく、ですけど……。……少なくともマスターにとって心に引っかかってることなんだろうなと思って」
「……チッ、余計なことだけ勘の良い」
「部下ですから、マスターの」

▼勇者の盾を見る主従

「もしかしたら、勇者の装備の中で私が一番必要なのは盾かもしれないです」
「剣だけでもロクに扱えていないお前が持ったところで、邪魔になるだけだろう」
「それでも、今の防御力が低い装備に比べたらだいぶマシになるはずです! 少なくともデコピンの脅威からは逃れられますし!」
「何故ワタシに対して使う想定なんだろうね。そんなに額を貫いてほしいのかな?」

▼ふとした蔑み顔

「あ」
「……何」
「痒いなって思ってたら、虫に刺されてました」
「…………フッ」
「なんですかその心の底から馬鹿にした顔……」

▼ふとした嘲り顔

「へっ……くしゅん!!」
「……ぷ」
「だから何なんですか、くしゃみしただけで全力で馬鹿にするその嘲り顔……」

▼へべれけ部下

「ましゅたーましゅたー、むちゅーれす」
「……は?」
「ちゅー、むちゅー」
「…………(ちゅ」
「ん……うへへへ、ましゅたー、だいしゅきれす。じゅーっとしゅきれしゅ、らいしゅきれしゅ」
「…………」
「……ぐぅ」
「………………」

 *

「リシャナ、ほら、唇を寄越せ」
「……絶対その手の中のお酒飲ませようとしてるじゃないですか。また酔って記憶失くしちゃうから嫌です」
「お前が勝手に理性を吹き飛ばすのが悪いのだろう? ほぉら、とっとと口を開けて、身も心も理性も唇もワタシに捧げてもらおうか?」
「むが! ちょ、無理やり飲ませないでくださいよッ! ていうか酔った私、何したんですか……ッ!?」

▼あくび長とガン見部下

「…………くぁ」
「!」
「……ふ」
「(じっ……」
「……リシャナ」
「はい」
「次に見たら目を潰すよ」
「……すみませんでした」

▼ペットロスってやつ

「……うう」
「鬱陶しい」
「ごめんなさい……でも、あんなに懐いてくれたレムリーだったのに……これが“ぺっとろす”ってやつなんですね……」
「その言葉の意味は知らないけれど、空に連れ帰っただけだろう。いつまでもそうして嘆いているなら唇を縫い付けるよ」
「嘆いてるだけなのにお仕置きが残酷ですよ……。マスターも恋しくないですか? レムリーのもふもふのしっぽ」
「ッハ! あんな下等生物が恋しくなるわけがないだろう! それに、」
「……なんですか」
「ワタシには本物のペットが、いてくれているからねぇ……?」
「マスター……じゃないですよ!! 何回やるんですかこのくだり!!」
「お前が勝手に騒いでいるだけだろう」

▼学び長

「あ、あの、マスター」
「…………何」
「いやあの……なんで私が空から持って帰ってきた雑誌、読んでるんですか」
「……人間共のくだらない文化とやらを見てあげようと思ってね」
「そう、なんですか……」
「…………」
「…………」
「……リシャナ」
「はい?」
「これはまだ試していないね?」
「試してって……この髪型は、たしかにしたことないですね」
「ふむ」
「………………」

 彼が雑誌を奪った理由は私の髪型のバリエーションを増やすためなのだとわかったけれど、そんなことを口に出せば口を引き裂かれるから何も言えない私なのでした。

▼持って行きたいの

「……本当に一緒に行っていいんですか? 私」
「くどいね。愛する主人を一人で行かせようというのかな?」
「私もマスターと一緒にいたいですけど……。前にあの一族に会いに行った時は人間がいると警戒されるからマスター一人だったじゃないですか。今回もその一族に会うならついて行かない方が良くないですか?」
「これだから考えの及ばない部下は。当然、お前はあの一族の前に出さないとも」
「へ、じゃあ何のために連れて行かれるんですか、私」
「ッフン、重要な役割を忘れているとは、やはりお前は愚かだね」
「重要な役割って……?」
「フ……ワタシの夜の快眠を維持するという役割、だよ」
「……、……え、もしかして抱き枕のことですか……?」

▼離したくないの

「ま、マスター、なんだかんだであの一族の住処に着いちゃったじゃないですか……!」
「そうだね」
「そうだねって……! 私が出て行ったら警戒されちゃいますよ……!?」
「警戒どころか、あれはかつての人間の味が忘れられずに今も血肉を求めている種族だからね。お前が出て行けば、我を忘れて襲い掛かってくるだろうね?」
「だからなんでそんなところに私を連れてきたんですかッ! 命懸けの囮なんて嫌ですよ私……!!」
「ふぅん? そんなことを言ってしまうんだね? ……お前がいるから、ワタシはあの血の気が多い種族の前に立てるというのに」
「は、はい?」
「……お前がいてくれるから、ワタシはここまで来られたんだよ?」
「マスター……?」
「だから──これからも、ワタシと共にいてくれるね?」
「も……もちろんです!」
「ッフ、じゃあ行こうか? ワタシの可愛い部下……いや、囮のリシャナ?」
「はっ……だ、騙しましたね!!?」

▼どっちでしょう

「マスターって」
「何」
「…………私のこと、食べたいと思ったことあるんですか? 物理的に」
「…………」
「…………」
「…………フ」
「何ですかその『フ』は!? どっちなんですか!!?」

▼一刀両断

「たぶん、マスターにとって興味ない話だと思うんですけど」
「興味ない」
「………………」
「……間抜け面で膨れたところでさらに間抜けな顔になるだけだよ」

▼地元語

「で、何」
「えっと、クジラって生き物、知ってます?」
「……ああ、聞いたことはあるかもね。それが?」
「私、ずっとクジラは空の生き物だと思ってたんですよ。そしたら、この間たまたま読んだ本に海の生き物だって載ってて」
「…………」
「でも、空にいた頃は『空でクジラが泳ぐ』って言葉があったんですよ? だからそう思っててもおかしくないかなって思って……」
「……へえ」
「! ま、マスターもわかってくれて、」
「空で、クジラが、泳いで、ねぇ……?」
「くっ……心の底からの見下し顔ッ……!!」

▼ゆらゆら

「ま、すたー……!! 大地が……大地が揺れています……!!」
「……ああ、そうか。地震は初めてだったね」
「な、なななんで余裕そうなんですか……! 何が起きてるんですか!?」
「騒がしい。少々長いようだけれど、直に収まる」
「ほ、んとですか……?」
「…………いいよ、おいで」
「! あ、ありがとう、ございます……!」
「……ワタシにしがみついたところで、死ぬ時は一緒なのにね」
「本望ですけど縁起でもないこと言わないでください……」

▼魔族長のまじかこいつシリーズ

「…………気が、済みましたか……?」
「ッフン、ワタシの怒りの炎がこんなことで収まるわけがないだろう。しかし、ワタシは寛大で清らかな心を持つ美の使徒だからね? 特別に、許してあげよう」
「ありがとうございます。……ふと思ったんですけど、マスターが私にする多彩なお仕置き……いや拷問って、今まで敵さんにしてたやつですか?」
「ああ、そうだとも。今思い出しても心地よい悲鳴を上げてくれたものだったね」
「ってことは……私以外の人間にも、したことあるんですか?」
「当然」
「……ふぅーーん、へぇーー」
「…………他人の拷問に嫉妬をするなんて、お前は本当に頭がおかしいんだね」


次回もお楽しみに!