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kobakoまとめ *2022.2月号
・ほぼ魔族長と部下夢主(+たまにリザル)の会話文です。
・時系列等々バラバラ
・series設定の話も含まれています。


▼なんならちょっと怖かった

「フ、今日もワタシの肌は宝石のような無限の輝きを宿しているね……?」
「ふふ、そうですね」
「むしろ、様々な奇跡が結集して出来上がったこの究極美は、宝石という表現には収まらないのだろうね。形容することすら不可能な次元の美しさ……超越美、とでも名付けようか」
「お綺麗ですよ、マスター」
「…………」
「……? ます……ッたァッ!!?」
「…………」
「何すんですかッ!! 何でいつもいつもそうやって気軽に私の頭に穴空けようとするんですかッ!? いつかおでこくらいは砕けますよッ!?」
「お前が気色の悪い喋り方をしていたからだろう。自業自得だ」
「マスターが『お前はしおらしさという単語を知らずに生きてきたんだね』って言ったんじゃないですか!! だから精一杯演じてみようと思ってですね!!」
「ああ、それは悪い事を言ってしまったね。お前はそうして情けなく喚いていた方が似合っているよ。まさに馬鹿犬そのものだ。……本当に」
「ちょっと本気で安心してるじゃないですか……! そんなにおかしかったですか、しおらしい私……?」

▼守りたいマントがあるから

「……えへへ」
「…………」
「……えへへへ」
「……リシャナ」
「はい?」
「気色悪い」
「ごめんなさい。……えへ」
「今すぐ剥ぎ取ってあげようか? そのマント」
「だ、だめです!! マスターのマントを纏えるなんて一生に一度くらいしかない機会、いくら私のご主人様でもそう簡単に奪わせやしません!! あと二十四時間堪能しないと気が済みませんッ!! ……えへへへ」
「…………」

▼かぎたいマントがあるから

「…………すんすん」
「…………」
「…………すんすんすん」
「…………」
「…………すぅーー」
「リシャナ」
「はい?」
「それ以上嗅いだら鼻をもぐよ」
「……。…………。………………。……はい」
「……納得していないだろう、その顔」
「…………はい」

▼ねえねえ部下

「マスター」
「…………」
「……マスター」
「…………」
「……(ゆさゆさ」
「…………」
「…………(ゆさゆさゆさ」
「……なに」
「おふとん、入れて、欲しいなって」
「…………ん」
「! お、お邪魔します……!」
「……ん」

▼なんて言った?

「マスターの体って」
「ん?」
「……何年も前からずっとこのツヤッツヤ加減なんですか?」
「いきなり何かと思えば。そんなもの、当、然だろう?」
「もしかして、何年どころか……何百年も?」
「……無粋な問いかけだね。だが、答えはイエスだ。永久に朽ち果てぬ美とは、まさにこのことだよ」
「アンチエイジングってやつですね」
「……あんち、えい」
「……アンチエイジング」
「…………」
「…………」
「ッフン、そうだとも。つまりは、誰もが羨む完全美、ということだ」
「(聞かなかったことにされた……)」

▼おぼえた!

「リシャナ」
「はい」
「ワタシの肌を触れ」
「はい。……はい?」
「どうしたんだい? いつもあんなにイヤらしく悪意に満ちた手つきで可憐なワタシの肌を撫で回していると言うのに」
「いやあの、その言い回しにもすんごく突っ込みたいんですけど……! マスター、今お肌触れって言いました?」
「ああ、そう言っているだろう? 文句があるとでも?」
「な、無いです。そう言うなら触りますけど……何か企んでます?」
「ハッ、不躾なものだね。清廉潔白を体現したワタシがそんなことをするはずがないだろう。口を動かす暇があるなら、手を動かすことに集中しろ」
「はい…………(むにむに」
「で? どうだい? このワタシの、肌は」
「……つやつやですね、いつもどお、」
「そうだろう!! これこそまさに──『アンチエイジング』、というやつだよッ!!(ドヤーーッ!!」
「…………え、まさか、それ言いたかっただけですか、マスター……?」

▼押してだめなら揉ませてみろ

「マスター」
「……何」
「あの、えと……その、」
「…………」
「お──おっぱい、揉ませてあげます!!」
「────。──は?」
「マスターがいつも薄い薄い無い無い言ってる私の胸も、一回しっかり揉ませたら、存在感伝わるかなと思って……!!」
「…………」
「ま、マスター?」
「……リシャナ」
「はい?」
「……今回ばかりは、ワタシが悪かったよ。かわりに、頭を撫でてあげよう」
「す、すんごく可哀想なものを見る目されてる……!!」

▼その後ことあるごとにやられた

「…………」
「…………」
「…………(つう」
「ひょわぃいッ!!?」
「……主人の膝の上で奇声を上げるな」
「ま、マスターが、首筋、指でツーって、やるからじゃないですかッ……!! 」
「…………(つう」
「ひゃいぃッ!?」
「…………フ、」
「絶対楽しんでますよねッ!!?」

▼肉体言語

「マスターは、」
「…………」
「……ちゅーとぎゅー、どっちが好きなんですか?」
「…………(ぎゅう」
「いひゃいいひゃいそうじゃないれすッ!! ほっぺぎゅーじゃないれす!!」

▼食べ返し

「(かぷ」
「!!!?」
「ん、やっぱり味はない……」
「……お前、いきなりワタシの手に噛み付くなんて、どういうつもりかな」
「こんなにむっちむちで良い体と良い匂いしてるので、もしかしたら美味しいのかなと思い……」
「ハッ、ワタシの肉体が食欲すらも蹂躙する完成度合というのは同意だけれどね! それを許可なく食すなんてお前にはそれ相応の仕置きをし……っひ!?」
「ん……味ないですけど、二の腕は甘噛みだけでも良い感触……。太腿とかも気になっちゃいますね」
「ッだから、俺の体を、食うんじゃねぇッ……!!」

▼結論たぶんどっちもすき

「マスターは、キスと、ハグ、どっちが、好きなんですかッ……!!」
「……質問内容を具体的にしたからと言って答えてあげるとでも?」
「なんでそんな頑なに答えてくれないんですか」
「答えてあげる必要性を感じないからだよ。そもそも、お前はそれを聞いてどうするというのかな?」
「……純粋な興味です」
「ハッ、ますます答えてあげる理由が無くなったね」
「むー……、……なら」
「何」
「えいっ(ぎゅう」
「は……、」
「────(ちぅ」
「────。……お前、」
「……どっちが、よかった、ですか」
「……いいよ。そこまでお望みなら、たっぷりと教え込んであげようじゃないか。お前がやめて欲しいと泣き喚くまで、ね?」
「……!!」

▼尻審査

「リシャナ」
「は……ぃッ!?」
「……ふむ(ぺちぺち」
「な、な、なん、何でいきなり私のパンツ下ろして、お尻叩いてるんですか、マスター……!?」
「…………。……はぁ」
「何でため息ついたんですかッ!!? 私のお尻に何を期待して何が不満だったって言うんですかッ!!」

▼雪の夜

「──ますた、苦しい、です」
「…………、」
「はふ……窒息する、かと思った……」
「ワタシに抱き締められて呼吸が止まるなら、お前も本望だろう?」
「一概にそんなことないですとは言えないですけど……。まだマスターと一緒にいたいので、しんじゃうのはさすがに嫌です」
「単純。…………」
「……外、雪積もってきましたね」
「……そうだね」
「……、……マスター」
「何」
「……やっぱり、抱き締めてほしいです。窒息しない程度に」
「…………仕方ない」
「……あったかいです。マスター」
「フン、存分に感謝するんだね」

▼これがあるから頑張れる

〜部下、三徹お仕事明け
「…………マスター」
「ご苦労様」
「……ありがとう、ございます」
「…………」
「……あの、」
「フゥ……いいよ。……おいで」
「!!」

「マスター、もっかいちゅー、欲しいです」
「……お前、ご褒美だからと言って調子に乗っているだろう」
「三日寝てないので、三日分のぎゅーとちゅーをいただきたいなと思ってるだけです……!」
「……欲張り」

▼ネムネム長

「……はっ!」

「(やばい、寝坊しちゃった……!)」
「(昨日マスターの寝つきが悪くて夜更かししすぎちゃったのか……)」
「(と、とりあえずマスターも起こさないと……)」

「ま、マスター、ごめんなさい……! 私、寝坊して起きられなか、」
「…………すぅ」
「(めちゃくちゃ気持ちよさそうに眠ってる……!)」
「ん……、……リシャナ、」
「え……」
「…………まだだめ」
「は」
「……すぅ」
「………………」

〜数時間後
「ほ、ほんとです、マスターが、まだだめって言うから、言うから私はもう手出しできなくてですね……!!」
「職務怠慢だけでなく責任を主人になすりつけるとは、随分傲慢なものじゃないか? よほど再教育をお望みらしい」
「ち、違うんです……!! 本当に起こそうとすると罪悪感を掻き立てられる声してたんですよ……!!」

▼魔族長と雑談_鳥の話

「あっ、マスター見てください。肩に小鳥が乗りました」
「……へえ」
「大地の鳥は小さくて可愛いですよね。魔族にも近づいてくれますし」
「そう言いながら初めて目にした時は情けなく怯えていたくせにね? それはもう滑稽なほどに」
「う……気づいてたんですね、興味なさそうだったのに」
「あれだけ挙動不審になっていればね。見ていて面白かったよ? ただの小動物に間抜けに怯える様は」
「仕方ないじゃないですか……鳥にはいい思い出なかったんですから。空にいた頃は姿見るだけでつつかれるわ引っ掛かれるわ威嚇されるわで散々でした」
「フッ、ワタシも見てみたいものだね。そんなふうに可哀想な目に遭う可愛いお前を、特等席で……ね?」
「意地悪……」

▼ねえねえみてみて

「…………」
「……延々と雨なんて眺めていて、一体何が楽しいんだろうね」
「スカイロフトでは雨が滅多に降らなかったので、大地の天気はいつ見ても新鮮なんですよ。いくらでも見られちゃいます」
「フン、その窮屈な世界で生きていくなんて、人間は哀れなものだね。それに、そんな景色よりももっと見るべきものがあるというのにね?」
「……そですね」
「…………」
「…………」
「リシャナ」
「はい?」
「もっと、見るべき、ものが、ある、よねぇ?」
「……わかりました、マスターの体、ちゃんと見ますから、だからその至近距離で全力でポーズ決めなくてもダイジョブです」

▼お気に入りの飛び道具

「私、もっと治癒能力とか補助能力とか、そういうお淑やかな力が欲しかったです」
「ふぅん」
「すっごく興味なさそう……」
「魔族長たるこのワタシは部下の虚しい無い物ねだりに付き合っている暇などないのだよ。そもそも、そんなものを修得したところでお前には有効に使うための頭が無いだろうしね?」
「散々な言われよう……! だって、そういう力があったらマスターに雑な扱われ方せずに済んでるはずじゃないですか! 投げられたりまとめて斬られかけたり!」
「ハッ、やはりお前は馬鹿部下だね? 根本的な認識から間違っているのだから」
「こ、根本的って……?」
「お前がどのような力を持とうと、どんなお前であろうと。ワタシはお前を──投げて扱いたいんだよ」
「マスター……、──じゃないですよッ!! すんごく優しそうな顔してますけどやってることただの外道ですからッ!!」


▼証

「…………っ、」
「……こうして改めて見ると、ゾクゾクしてしまうね?」
「恥ずかしいんですけど、マスター……」
「フッ、恥ずかしいも何も、この傷はほとんどがワタシのためについたものじゃないか。それをワタシに見せない理由なんて、ある訳がないよねぇ?」
「う……、……こんな、体についた古傷見て、興奮されるなんて思わなかったです……」
「するに決まっているだろう。ワタシのために刻まれた、一生消えない跡。それがこぉんなについているなんて、ね? ……いっそのこと、ワタシ自ら刻んであげたくなってしまうよ」
「わざわざ新しいのつけなくても、マスターの歯形だってたくさん残ってますから……!」
「ああ、そうだったね。ならばこれからもたくさんつけてあげないとね。……楽しみにしているよ、リシャナ」
「鬼……」

▼最近お気に入りのおもちゃ

「…………(ぺちぺち」
「…………」
「…………(ぷにぷに」
「…………」
「…………(ぎゅぅ」
「まふたー」
「ん?」
「いひゃいれふ。……わたしのほっぺれ、あそばないれくらはい」
「…………」
「……まふたー?」
「…………却下(ぎゅぅぅ」
「いひゃいいひゃい! なんれちょっと気に入ってるんれすか……!!」

▼呼びたくなっただけ

「リシャナ」
「はい、なんですか、マスター」
「……いや、いい」
「?」

「リシャナ」
「はい、マスター」
「……何でもない」
「??」

「……リシャナ」
「はい」
「…………」
「……マスター?」
「……呼ばれても反応せずに反応しろ」
「は、はい……?」

▼割と余裕そう

「ひっ、ま、マスター、高いです……!」
「そうだろうね。このワタシの美しい肉体に、お前は抱えられているのだから」
「美しさ関係あるのかどうかは疑問ですけど……。……あと、毎回思うんですけど、」
「何」
「……そうやっていつも私のこと抱き上げて、その……重く、ないんですか?」
「……ああそうだね、重い、とてつもなく重いとも。重すぎて重すぎて、か細いワタシの腕は今にも折れてしまいそうだよ」
「……私のこと抱きしめたまま全力でポーズ決められるなら、折れはしないと思います」

▼見せびらかしたい欲

「────」
「……っ、」
「ん……フッ、いつ見てもイイ眺めだね。お前の全身に跡をつけてあげたこの光景は」
「あ、んまり、見ないで、ください……」
「蕩けた顔で言われても説得力がないね? 全身に主人の唇を与えられて、悦んでいるくせに」
「う……」
「それにしても、この素晴らしい光景を衆愚に見せつけてやる術がないのが口惜しいね。空の世界で人間どもに見せびらかしたとしても、ワタシはその場に居合わせることが出来ないのだから」
「見せなくて、いいです……!」
「……ああ、次の勇者と戦う機会にまた跡をつけてあげようか。そしてお前が服を着ずに出ていけば、この美しい光景を見せつけてやることが出来る、よねぇ……?」
「ただの変態だと思われるだけですから、それ……!」

▼部下は大変なんです

「……今日も徹夜だねぇ、リザル」
「隣で死にそうな声出すンじゃねェよ、こっちまで気が滅入る」
「それはごめんなんだけど……でも嘆かないと耐えられない……」
「まァ、その他大勢の俺らに比べてもお嬢の仕事内容が厄介なのは同感だけどナ。そら嘆きたくもなるか」
「うう、わかってくれる先輩がいるだけでちょっと救われた気持ちになる……」
「つーか、お嬢の徹夜の原因ッて主にあの人の世話だろ? 実際そこまで眠れなくなる程することあンのかよ?」
「お仕事の種類自体はそんなに多くないよ。身の回りのお世話と、剣技の特訓と、作戦や計画を練るくらい。……でも、」
「なンだよ」
「……今日のマスターのご機嫌的に、すごく構って欲しがられる気がするから、予感が当たれば最悪朝まで寝かせてもらえない。そうなると他のお仕事はマスターが寝てるうちに済ませないといけないし、マスターが起きればまたお世話しないといけない……っていうのを繰り返すうちに、気づけば三日寝てなかったりする」
「…………悪い。俺からは死ぬなよとしか言えねェわ」
「うん、それだけで嬉しい、ありがとリザル」

▼ミドナ姉さんと一緒

「……オマエの飼い主ってさ」
「はい」
「ヘンタイってやつ?」
「そですよ」
「……あっさり認めるじゃん」
「言われ慣れてますし、紛うことなき事実だと思うので……」
「まあ、そりゃそうか。魔族って奇抜な格好してるやつ多いけど、オマエの飼い主はその中でも群抜いてるしなぁ」
「ふふん、格好の奇抜さで言ったら私のマスターは誰にも負けないですよ。しかも、ずっと一緒にいると感覚が麻痺してきて最終的にかっこよく見えちゃうのが恐ろしいところです」
「何でオマエが得意げなんだよ。それに、そーゆーふうに見えてくるのもオマエだけだと思うぞ。……ワタシは理解出来ないけどなー、あの着てるのか着てないのか曖昧な服」
「(……着てない具合は姉さんも割と同じくらいな気がするけど、可愛いからよしとしよう)」



3月号もお楽しみに!