この間思い出した話

19の時、臨時職員でひたすら未納の客をリストアップする仕事してた

で、昼休みには職員専用の休憩所でお弁当を食べる
畳で薄暗く、採光は真ん中あたりに光があたるくらい
電気はあるけど、つけても何となく暗いし、食べたらお昼寝するからいつも着けなかった
周りはファミレスなど豊富で、休憩室は男女分かれてたから、いつも私ひとりだけだったんだけど

ほぼ毎日金縛りにあってた

『入眠時催眠』と云う言葉は知ってたから別に怖くないし、今金縛りに遭うと聞こえる猫の鳴き声もまだ無かった

ただ、動けなくて一度遅れたから場所を移したが、そこは怒られたので結局戻ってきた
当時体調不良が半端なく、白米、パン、肉は食べられなかったから体力不足? で昼寝は不可欠だった
一度頑張って起きてたら夕方に吐いたw

そんな感じで半年契約中の4ヶ月目くらい

いつも通りお弁当を食べ、ごろ寝
誰も来ないことはわかってるし、夏だったからブランケットとか無しで
熟睡を心がけ、眠りに落ちた

電車に忘れたハンカチを必死に追いかける夢を見た
ハンカチが見えたところで

ふっ、と目が覚めたら


足元に鬼がいる
虎パン、金棒を持った鬼が、私の足元、三和土の横、畳の上にいる。

パニックと冷静の中間で「ああ…裁かれる時が来た(?)」と思った
実際そう考えたわけではないけど、何か「裁かれる」と思った
金棒でぐちゃぐちゃになるのかな、とか
何処か連れていかれるのかな、とか
考えてる間に気付いた

自分、目を開けていない
つまり脳内イメージ
まだ眠ってて、これは夢なんだと思った
でも、ハンカチ。実際は持ってない白無地のハンカチを追いかける夢を見た。

夢の中の夢なのか、と考え始めた時

鬼が一歩踏み出した

そして私を見下ろし、嘆息
―――裁かれる


腹に渾身の蹴りを入れられた


「ぐぁっ!!」


女子らしからぬ悲鳴をあげ、私は胎児のように丸まって目を開けた
誰もいない

しかし痛い。腹が痛い。鳩尾を的確に攻撃された
丸まって呻いている間に、昼休み終了のチャイムが鳴った



これが贖罪なら、…相当軽いんだろうな、
と色々な意味を込めて。

[ 10/12 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]





[return]
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -