いつか訪れる失明の日については、もう触れない。触れてもどうしようもないからだ。今肝心なことは、それでも希望は残るとこのパンドラの箱を信じて、どんなに苦しいことがあっても前に前に一歩を運び続けることだけ。

 いつの日か、僕が彼女の隣を走ることが出来なくなるのだとしても、
 いつの日か、僕が彼女の走る姿を見ることが出来なくなるのだとしても、
 いつの日か、僕が彼女の容姿を思い浮かべることすら出来なくなるのだとしても。

 僕が彼女の言葉を信じる限り、僕の世界からは光も色も失われない。僕にしか見えない世界が待ち受けている。


 過去ばかり見ていては、視界は失敗と挫折に黒く暗く塗りつぶされていくだろう。
だけど、後ろに無理矢理ねじった首を、前に向け未来に目を転じれば、そこには無限の可能性が広がっている。
明るくて、限りない希望に溢れた世界だ。

 それを見るため、顔を上げて歩み続けよう。




「見られる日、楽しみにしてる」




 世界はもっと、カラフルだ。




end.
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