過去原稿 | ナノ


1.  



射し込む朝日に目を細めた、誕生日。

「時間よー、起きなさい!」
部屋に入り込んできたお母さんが、私の部屋のカーテンを開けた。途端に差し込む、眩しい朝日。思わず、腕で目を覆う。
「ん、んー……っ」
「ほら、早く。」
起きたくない、と言う意志を示す私を見て、呆れたようにお母さんが再び声を掛ける。毎朝、繰り返されることだった。それは、今日が私の誕生日だとしても、変わることはない。
 やがて、思い出したように「おめでとう」と言ったお母さんにお礼を言ってから、ベットを出る。身体はあの布団の温もりを欲している気がするけど、しょうがない。遅刻なんてしたくないのだ。段々と眠気から脱し始めてきた身体を動かし、準備を始める。制服を気終わると、気分はすっきりと澄み渡っていた。


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