「ね、ねえ………」
「「!!」」

「そ、そこに倒れているのは………ま、まさか…」
「杏奈ちゃん……」
「それは、……血…?いったい誰の…?ねえ、この光景は、いったい……」

「アヴドゥルさんなの…?」



「人生の終わりってのはたいてーの場合あっけない幕切れよのォー。さよならの一言もなく死んでいくのが普通なんだろーねえー。ヒヒ…悟ったよーなことをゆーよーだがよォ〜〜〜〜〜」
「お前か………。アヴドゥルさんをやったのは………」
「ああん?そうだが?だがおれは女には手を出さない主義なんだ、やめておきな。おまえじゃあこのおれには勝てねえよ」
「…………」

「杏奈ちゃん!それにポルナレフも!相手の挑発に乗らないで!ポルナレフ、まだわからないのですか、アヴドゥルさんは言った…。『ひとりで闘うのは危険だ』と。しかしあなたはそれを無視した。あなたは相討ちしてでもかたきを討つと考えているなッ」
「おれに…どうしろというのだ…………」
「アヴドゥルさんはそれを心配してあなたを追って来てこうなった。勝てるみこみがないうちは戦うな!こいつらのスタンドの性質がよくわからないからここは一時引くのですッ!」
「アヴドゥルは背中を卑劣にも刺された…。妹は…無抵抗で殺された。この『無念』をおさえて逃げろというのか!?」
「自分も死ぬような戦いはやめるんだッ!アヴドゥルさんはそれを言っているのだッ!」
「そうよ、ポルナレフ………。あなたは少し落ち着いた方がいい…。ここはやつから離れて、やつを倒す作戦を練り直した方がいい」

「野郎〜〜ォ」
「ポルナレフ!」
「お…おさえろというのか」

「「ポルナレフ!」」
《アヴドゥルはおまえのために死んだ。アヴドゥルにかりができたってことかなあ〜、おまえがいなけりゃ死ななかったかもなあ。ククク」
「や、野郎〜。本体はどこにいやがるッ」
「ヒヒ…」
「ポルナレフおちつけッ!」
《でも悲しむ必要はないな、喜ぶべきだと思うぞ…。すぐに面会できるじゃあないか…。おまえも死んで、あの世で…。マヌケなふたりといっしょにな………クク。おまえの妹はカワイかったなあポルナレフ………妹に再会したのなら聞かせてもらうといい………。どーやってオレに殺してもらったかをなあああああ〜〜〜ッ」
「ポルナレフ挑発にのるなァーッ!!さそっているんだーッ!!」
「野郎ッ」

「ククク、おまえのチャリオッツにわが『吊られた男(ハングドマン)』は切れない…。おれは鏡の中にいる……。おまえのスタンドは鏡の中に入れない…だからだッ!ククク、くやしいかぁ〜、くやしいだろー、なあ〜。おいホル・ホース、撃て…このアホをとどめるとしよう!」
「アイ!アイ!サー」

「エメラルドスプラッシュ!」
「ウォータースライサー!」

「なに!」
「うぐあッ!」
「なんとッ!ポルナレフをッ…………」

「う…うぐぐ」
「花京院!」
「ああ!」

「ポルナレフの命をたすけるためかッ!!花京院にあのおじょうちゃん、やりおるぜッ!」
「動かないで」
「!」
「動いたら殺す」
「………おいおい、マジかよ」



「ほーお、それが噂に聞く人魚のスタンド………あんたのスタンドかあ…。たとえスタンドといえど、おれは女には手を出さない。引な、おじょうちゃん」
「あんまりわたしを、あまく見ないことね。痛い目見るわよ」
「怖いねえ〜、若いのにそんな殺気立っちゃって。おまえさんは花京院やポルナレフたちと一緒に行かなくてよかったのかい?ひとりでこのおれをやれるとでも?」
「無理でしょうね。けど、承太郎が来るまでここであんたを足止め出来たなら、話は変わってくるんじゃない?」
「!」
「承太郎ならあんたみたいなゲス野郎は、すぐに倒してくれるでしょうね」
「…………」

「ッ!」
「くっ」
「悪いなおじょうちゃん、おれは今ここでやられるわけにはいかないんでな」
「フンッ」



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