「アヴドゥル…いよいよインドを横断するわけじゃが、その……ちょいと心配なんじゃ…。いや…『敵のスタンド使い』のことはもちろんだが、わしは実はインドという国は初めてなんだ。インドという国はこじきとか泥棒がいて、カレーばかり食べていて、熱病なんかにすぐにでもかかりそうなイメージがある」
「おれカルチャーギャップで体調すずさねェか心配だな」
「フフフ、それは歪んだ情報です。心配ないですみんな…素朴な国民のいい国です…。わたしが保証しますよ…。さあ!カルカッタです、出発しましょう」

「ねえ……めぐんでくれよォ(バクシーン)」
「お金ちょうだいよォーー」
「ドルチェンジレートいいね」
「イレズミほらない?きれいね」
「ホテル紹介するよ」
「うた歌うからきいておくれ、アア〜〜」
「女の子紹介するよ、べリィヤングね、ババアじゃないよ」

「うえぇ〜〜!牛のウンコをふんづけちまったチクショー」
「ぼくはもうサイフをすられてしまった」
「た…たまらん雑踏だ!おお!タクシーだ、あれに乗ろう」

「ねェねェ、もっと駄賃くれよォ、ダチィィ〜〜ン」
「こら!ハナをつけるなハナを!」
「ア、アヴドゥル、これがインドか?」
「ね、いい国でしょう。これだからいいんですよ。これが!」



「要は慣れですよ。慣れればこの国のふところの深さがわかります」
「なかなか気に入った。いい所だぜ」
「そう?わたしはちょっとムリかも…」
「おいマジか承太郎!マジに言ってんの?おまえ」

「ぎィにゃああああうわあああああ!」

「何だ今の悲鳴は」
「ポルナレフの声か」
「トイレに行くと言っていましたが」
「トイレ?ああ、それなら心配はいらんでしょう。気にしないで大丈夫だ」
「どうして?」
「インドには珍しいトイレがあってな、トイレの下に豚がいるのだ」
「豚ァ!?」
「そ、それじゃあもしかして……」
「オーマイゴット!おい君!さっきの悲鳴の原因は」
「お客様のお連れの方が豚に驚かれていたようで」
「やっぱりな」
「…やっぱりわたし、インドはムリかも…。慣れる自信ない………」
「まあ女の子には多少キツイかもしれないな。だが大丈夫、ちゃんと普通のトイレもある」
「な、ならいいけど………」

「なっなんだァ〜〜、こいつはッ!?ちっ、ちくしょうッ!『スタンド』!ろ…本体は…どいつだ!?どの野郎だ!この人の数…く…くっそぉ〜!?」
「どうしたポルナレフ」
「何事だ!?」

「いまのがッ!今のスタンドとしたなら………ついに!ついに!やつがきたゼッ!承太郎!おまえが聞いた鏡を使うとかいう『スタンド使い』が来たッ」
「おれの妹を殺したドブ野郎〜〜〜ッ、ついに会えるぜ!」






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