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「ここ、だよな?」



目の前には大きな鏡。

階段を降りた後、周りの様子を伺いながらやっとの思いでここまで来た。

これで元の世界に戻れる。

早くこの世界から出たい。

それぞれの思いが募る。



「そう。ここが出口でもあり、入口。なんとか無事にここまで来れたね、よかった」

「ここを通れば元いた場所に戻れるのだな…」

「うん。みんな手を繋いで、私に着いてきて」

「手?」

「鏡の中ではぐれないように。ここではぐれたらもうどうにもできないから、絶対に手を離さないで。いいね?」



ミコトの言葉に頷く面々。

黄瀬を背負っているため片手しか使えない青峰が一番最後となり、先頭は言わずもがなミコトである。


ズズズッ……。

ゆっくりと鏡の中に入っていくミコト。

そんな不思議な現象も、この世界に来てからはもう何とも思わなくなってしまった。


赤いコートを着た口裂け女に出会い、

歩くグロテスクな人体模型に出会い、

不思議な体験をした。


出ることならこれは夢だと思いたかったが、すぐに現実に引き戻されたあの時。

もし勢いで入った教室にミコトがいなかったから、どうなっていたのだろう。

そんな考えに身震いしながらも、鏡の中に入ったその先はーーーーー




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