14 「ここ、だよな?」 目の前には大きな鏡。 階段を降りた後、周りの様子を伺いながらやっとの思いでここまで来た。 これで元の世界に戻れる。 早くこの世界から出たい。 それぞれの思いが募る。 「そう。ここが出口でもあり、入口。なんとか無事にここまで来れたね、よかった」 「ここを通れば元いた場所に戻れるのだな…」 「うん。みんな手を繋いで、私に着いてきて」 「手?」 「鏡の中ではぐれないように。ここではぐれたらもうどうにもできないから、絶対に手を離さないで。いいね?」 ミコトの言葉に頷く面々。 黄瀬を背負っているため片手しか使えない青峰が一番最後となり、先頭は言わずもがなミコトである。 ズズズッ……。 ゆっくりと鏡の中に入っていくミコト。 そんな不思議な現象も、この世界に来てからはもう何とも思わなくなってしまった。 赤いコートを着た口裂け女に出会い、 歩くグロテスクな人体模型に出会い、 不思議な体験をした。 出ることならこれは夢だと思いたかったが、すぐに現実に引き戻されたあの時。 もし勢いで入った教室にミコトがいなかったから、どうなっていたのだろう。 そんな考えに身震いしながらも、鏡の中に入ったその先はーーーーー |