13 ゴォオオオオォッ!!! 気がつくと、人体模型は燃えていた。 「御子柴さん…」 黒子はそっとミコトに駆け寄り、背中をさすった。 息があらい。 今回のは相当堪えたらしい。 「私ね、ああいうのダメなのよ……。スプラッタもの」 「確かにありゃリアルだっもんなぁ…」 「ねえみんな〜」 「あ?どうした紫原」 「黄瀬ちんが気絶してる〜」 「はぁ?」 紫原が指差した場所には壁に寄りかかり気絶している黄瀬が。 そんな姿をみるなり、緑間は小さく「バカめ」と呟いた。 「大丈夫ですか、御子柴さん」 「何とかね。でも力を使い過ぎちゃったみたい。とにかくなんか疲れた」 「やはりああいう力を使うにはそれなりのものが必要なのか?」 「まあね。人それぞれだけど、素質とか根性とか、そういうのさえあれば使えるようになったりならなかったり」 「何だそのあやふやな言い方」 「しょうがないでしょー、事実なんだから」 やっといつもの調子が戻ってきたらしい。 ミコトは立ち上がり、黒子に礼を言うと行こうと言った。 出口まではあと少し。 早くここから出たい、みな同じ意見だった。 「誰かそこの黄色いの担いで一緒に連れてきてね。さすがに置いてはいけないから」 「仕方ねぇな。テツ、ちょっと手伝え」 「わかりました」 気絶している黄瀬を背負い、ようやく一行は再び歩き出す。 一歩一歩、確実に歩みながら。 最後だからこそかつ慎重に。 |