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ゴォオオオオォッ!!!


気がつくと、人体模型は燃えていた。



「御子柴さん…」



黒子はそっとミコトに駆け寄り、背中をさすった。

息があらい。

今回のは相当堪えたらしい。



「私ね、ああいうのダメなのよ……。スプラッタもの」

「確かにありゃリアルだっもんなぁ…」

「ねえみんな〜」

「あ?どうした紫原」

「黄瀬ちんが気絶してる〜」

「はぁ?」



紫原が指差した場所には壁に寄りかかり気絶している黄瀬が。

そんな姿をみるなり、緑間は小さく「バカめ」と呟いた。



「大丈夫ですか、御子柴さん」

「何とかね。でも力を使い過ぎちゃったみたい。とにかくなんか疲れた」

「やはりああいう力を使うにはそれなりのものが必要なのか?」

「まあね。人それぞれだけど、素質とか根性とか、そういうのさえあれば使えるようになったりならなかったり」

「何だそのあやふやな言い方」

「しょうがないでしょー、事実なんだから」



やっといつもの調子が戻ってきたらしい。

ミコトは立ち上がり、黒子に礼を言うと行こうと言った。

出口まではあと少し。

早くここから出たい、みな同じ意見だった。



「誰かそこの黄色いの担いで一緒に連れてきてね。さすがに置いてはいけないから」

「仕方ねぇな。テツ、ちょっと手伝え」

「わかりました」



気絶している黄瀬を背負い、ようやく一行は再び歩き出す。

一歩一歩、確実に歩みながら。

最後だからこそかつ慎重に。




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