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「まっ、ここでいつまでも考えてても拉致あかないし、とりあえず出口の鏡の所まで行こ。何も起こらなければ過ぎた考えってことで流せばいいし」

「しゃーねぇっ、そいつの言う通りとりあえず行ってみっか」

「そうっスね」

「じゃあしゅっぱ〜つ」



青峰が先頭を歩き、一行は再び歩き出す。

口裂け女のような化け物が徘徊しているかもしれないから気をつけてね、ミコトの言葉に黄瀬は震え上がる。

おどかさないでくさいよ!

そんな声が届いたのか、ミコトはふふっ…と笑った。



「確かこの階段降りりゃすぐだったよな、鏡」

「ああ。そうなのだよ」

「……ねえ〜、何か変な音しない?」

「え?ななな何すか紫原っち!おどかさないでくさいよぉ〜〜〜」

「静かにするのだよ黄瀬、確かに俺にも聞こえたのだよ」

「でええっ!?」



その音はミコトの耳にも届いていた。

ミコトも黄瀬を制し、その音に集中する。



ぺた……ズルッ、ぺた…ズルッ、ぺた…………。


何かが這うような、不気味な音がした。



「何の音だこれ」

「何だか不気味なのだよ」

「やな予感がする〜」



鏡まであともう少し。

この階段降りて右に曲がり少し行った所に鏡はある。

しかし動けない。

音の正体が何なのか、わかるまでは………。



「みんな、慎重に。とりあえず隠れて。物音は絶対にたてないで。気づかれたらお終いだよ」



ミコトの緊張した声が聞こえた。




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