恋の味を教えよう

『チョコにがっ?!』



「それ、ビターじゃん」




『ビターチョコ苦手なんだよな〜
ね、苦いよね?』



「まあ、甘くはないよね」



だよね〜なんて会話をしながらも目は合わない


彼女の私は放っておいて

OZばっかりじゃないか



ただひたすら苦いチョコレートを口にする


なんだかこの苦さは私の恋みたいだな(笑)
一瞬甘くてかなり苦い(笑)
とか考えてみたけど虚しいだけだった


何も言わずに部屋を出ようとするとかけられる声


「どこ行くの?」


ほら、この一言に私の胸は弾むんだ


『チョコ、苦かったからお茶飲んでくるね』



返事といった返事はなかったけれど




恋の味を教えよう



何が起こったのか全くわからなくて



唯一理解できたことは

離れていく佳主馬が私に向かって

"もう、苦くないでしょ?" と言ったこと





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