甘い熱だけ残して

『 ねぇ、佳主馬。
ちゅーしよ?』


「ブッッ」



『うわ、汚い』


「うるさい、大体あきが急に馬鹿なこと言いだすからでしょ」



僕とあきはいわゆる恋人同士で

大おばあちゃんにあきを紹介するために夏休みの今、例年通り長野に来ている。



あきにも部屋は用意してあるし、僕にも納戸じゃなくて部屋は用意してくれている。



だけど僕は納戸に布団を持ってきた


その布団にあきが寝ている



そんな状態で、あの発言



きっとあきは馬鹿なんだろう


『ねえねえかーずーまーー
ほら、おやすみのちゅーしてよーー』


無自覚のきみはどんどん僕に近づいてくる










周りの音が何も聞こえなくなるくらい


僕はあきに口づけた







甘い熱だけ残して





ねぇ、ちょっとあき?!寝たの?!嘘でしょ?!生殺し?!



その日佳主馬くんは眠れなくて徹夜だったとかなんとか






−−−−−−


肉食佳主馬くんいいよね〜

でも佳主馬くんはロールキャベツ男子だって信じてる

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